− I know −
Starring: Kaito Yoshimura
Interviewer / 2nd camera : Genta Tsukamoto
Cinematographer : Kousuke Yokota
Photo : Ryo Onodera
stylist : Yuji Yasumoto
Music : Kazuki Matsumoto
—絵を描いて撮影をした日についてカイト本人に日記を書いてもらった。
あの日、僕たち撮影組とカイト本人とでは、見えていたものが違うような気がした……
それを「日記」という形で知りたいと思ったからだ。
以下、カイトに書いてもらった“あの日の日記“だ。
「Man In The Mirror」 Vol.5 − I know −
この撮影(アドキンの連載)に関してはいつも「うまくいくかな……」と考える
距離が近いやつらと何か表現をするときは、1番深く考える
他人、いや他の人との撮影時は何も考えずにやることやるだけ、みたいな感じなのに
友達だとなんかやりにくい、やりやすいはずなのに
だとすると、他人にはどう思われてもよくて、
友達にはどう思われるかって気にしてるんだろう
そんなことを考えていると、ちゃんと眠れなかった
朝、寝てたらみんなが起こしに家に勝手に入ってきた
「あっそうだ今日は撮影だ」って我に返って起きた
気がついたらパソコンからyoutubeで野球が垂れ流れていた
朝起きたらまずブラックコーヒーが飲みてえ、最近ブラックにハマってる
起きかけ時に俺ん家でヘアメイクが始まって
約7.5畳の部屋に俺入れて7人、
なんだこれ本当俺頑張って広い部屋に住まなきゃ、と思った
みんなこの部屋かよ
もっとあっちの方とか適当に座ってくれって言いたいって思ったよ
みんなここじゃねえか
あの日連れて行った同居人のゆうくんがワクワクしてたのが嬉しかった
なんで連れてったんだろう、
よくわかんねえことばっかだな。
家出てスタイリストのゆうじの家ついてまず、問題が起きた
ゆうじが起きねえ、、、
二階で寝てるのは知ってたから、ハイエースを俺が「登ろう」って言って登ろうとしたら、
げんたが登って窓叩いたらゆうじが起きた
そこで衣装のフィッティングを済ませて
最初の撮影に向かった
今回の撮影から入ってもらってる横田
あいつとはもう5.6年の付き合いだけど、
5.6年前に会った時はあいつは役者だった
どんな演出をするのか楽しみだし新鮮だった
正直今回の撮影がどうなるのかと思っていた
常にモチベーションを探していた
スクランブル交差点での演出は豊田利晃監督のポルノスターをオマージュしてるらしい
そん時俺は、また渋谷かよ来年も渋谷とかでやってそうだな。つうか東京で俳優やってんなら一生これだな……って思った
そんなこんなで絵を描く倉庫へみんなで向かった
あの倉庫に向かうまでは、またいつもと同じというか「俺今日も何やってんだろうな」って
いつもの撮影と同じで真新しさがなくて
でもやるって決めたからあの日もやろうって思って
あの倉庫について、実際倉庫、キャンバスを見てから楽しくなってきた
みんなの顔も真剣になっていくのを感じた
やっぱりひとりでやれることの方が好きだなって思ったし
誰かと何かやるのは得意ではないなとつくづく感じた
俺が勝手に絵を描いて、好きなタイミングで休憩して
それを勝手に静止画なり映像なりで勝手に切り取ってくれる方がいいんだな
最初にman in the mirrorって描いてから白で消す演出だ
それに関しては、すごくよかった
1回描いてからman in the mirrorを消すことで
“今回は連載で描くんじゃない『絵を描く』ことを考えて描け“
って言われてる気がして頭のスイッチが入った
最初絵が全然描けなくて、俺はアーティストではないんだなって
絵描きじゃないな……どうやって何を描こうかって迷った
みんなには言わなかったけど心の中でテーマを変えてみようって思って、
『夜、女性、街』って考えていたんだけど、それでも描けなかった
そん時にげんたから「絵を描くの、全部足し算でいいじゃない?」って言われて
あっなるほどって思ってすいすい筆が進んで描いてくうちに
俺の気持ちこんな感じだ
今まで自分一人で勝手に絵を描いてきたけど、
今回、初めて本気で絵と向き合って、描いてて楽しかった。
吉村界人
ー文章を読んで、今まで「Man in the mirror」で、自分たちは自分たちは企画、動画、絵、写真などを通して思っていることやかっこいい形を表現してきたけれど、やはり、カイトが見えていたもの、考えていたのは全く違うんだなと思った。
そしてカイトの表現について他の人にも意見を聞きたくなった。
そこで良き理解者である、ちゃんみなさんに、カイトについて話を聞いてみた。
私が彼に思うことは、大きく分けると二つあります。
『人間的』というのと『個人主義』というものです。
一度私の作品に呼ばせていただいた時に、彼の絵の話をしました。
私が『へー、絵描くんですね。一度見てみたいです』
と興味本位で聞いたのにもかかわらず、後日本当に自分の絵の写真を何枚も送ってきてくれました。
まず、現代にこういう人間はとても少ないです。
少なくとも、私が出会ってきた人間の中では
まだまだ未熟な私ですが、大体わかってきてしまうんですよ
大人の世界というのは、本音、本物を見ることも見せることも物凄く難しい事だと。
〝社交辞令”という言葉が存在するくらいに難しいんです。
まぁ、そんな話は置いておいて
そんな世界に少しウンザリしていた時に、彼の行動はとても人間的で説得力がありました。
そして、彼の絵を見た時にハッとしたのを覚えています
彼の絵には、感情があるように見えました
そんな、アートなんて感情ありきでしょ。と思うかもしれません、私もそう思います
でも、沢山の物が溢れかえってる今、自分が思うアートに出会えるのは難しいんじゃないかな。
いい意味で古風な人間だなあと思い
私が彼に素晴らしいと伝えると
彼は『そうか?趣味だよ、趣味』と、急にとっても現代的な対応をしてきました
その時に、あぁ、この人ってアートで喋る人なんだなぁと思いました
彼の絵が好きな大きな理由はそれでした。
彼の絵は喋ってるように思えます、とっても大きな声で、小さな声で、誰かに向けて、
自身に向けて、何様かもわからないところに向けて。
アーティスト、表現者という者は、孤独であるべきだ。とよく聞きます
その気持ちも理由もなんとなくわかります
私自身も、音楽をやっていて、一つの表現をする時にその言葉が過る事もあります
確かに、そうなんです。
何かを作り出す時は、独りになりたい。理由は、自分と向き合いたいから
ということは、この先表現を続けていく限り、孤独からは逃げられない。
確かに一理ありますが、私は少し違うと思います
何がどう違うかは、まだ説明できるくらい自分でも理解してませんが
なんかちょっと違うんですよ。そもそも、孤独って、聞こえが悪いじゃないですか。
でも、なんとなく一つの言葉が見つかりました
それが『個人主義』でした。孤独とはちょっと違う、もう少しだけポジティブで
冷静だけど、メラメラしてる。人間と全ての感情を共感できるかといったら、違う
それを心から望んでるわけでもない。だって、それが私たち表現人間にとっては
何にも変えられない宝物だと思うんです。
ただ、面白い部分だけ分かり合える人間はいて、それで笑えている
ある意味、とっても人間らしい
あくまでも私の主観ですが、私の目に彼はそう映りました。
この絵は、初めて見た時からお気に入りです
彼の世界観や感情等が込められていてなんだかトータルで凄く優しい印象でした
私の好きな色がサイドに大きく描かれてるから、余計に好きなのかもしれません(笑)
彼の事だから特に何も考えずに書き始めたとは思うんですけど、色も、配置も、強さも全てのバランスがいい、不思議です
彼の目に映ったものが、頭の中に入っていって分解されて、アウトプットされて、こうなる
面白いですよね
右上の『I know』が何を意味してるのか、この絵を見る度に私の解釈は変わります
その時の感情や、環境によって、こんなにシンプルな言葉がこの絵と一緒になるだけで、不思議とその時にぴったりな形で喋りかけてきます
褒めすぎですね。
長くなっちゃいましたね、見ただけで、このくらいの事を思わせるようなものが彼の絵にはありました。とても好きです。心から
ちゃんみな
ちゃんみな
日本語、韓国語、英語を巧みに操るトリリンガルラッパー/シンガー。
幼少期よりピアノやバレエ、ダンス、歌を始める。作詞作曲のみならず、トラック制作、ダンスの振り付けなど全てをセルフ・プロデュースで行い、アーティスト活動をスタート。
高校2年生時に制作した「未成年 feat. めっし」、「Princess」が高く評価され一躍注目を集め、2017年2月に「FXXKER」でメジャー・デビュー。
代表楽曲にもなった「LADY」、「CHOCOLATE」は、iTunes HIP HOP / RAPチャート1位、LINE MUSICで1位を獲得し、「CHOCOLATE」においてはYouTubeでのMVの再生回数が1,000万回を突破した。
2018年9月、ワーナーミュージック・ジャパンへ移籍。
同月に発売した移籍第一弾シングル「Doctor」は、LINE MUSICで最高2位を獲得し、その風刺的な歌詞と独特な振り付けで、国内外から称賛を受けた。
同年11月には、自身が20歳になる直前の想いを綴った「PAIN IS BEAUTY」を発売し、LINE MUSICで最高3位を獲得。
2019年に入ると、日本語、英語、韓国語での歌唱に初挑戦した「I’m a Pop」を発売し、キャリア初となる東阪Zeppツアーを行う。
同年4月、国内女性ソロアーティストとして初、「モンスターエナジー」とスポンサーシップを締結し、同年5月には、MTV Asia制作、アジア版「Yo! MTV Raps」に日本人アーティストとして初めて出演を果たす。
同年8月、2ndフルアルバム『Never Grow Up』を発売すると、LINE MUSICのアルバムランキングでデイリー、ウィークリーともに1位を獲得し、iTunes、Apple Musicともに総合3位にランクインした。
2年連続でROCK IN JAPAN、3年連続でSUMMER SONICへの出演を果たすなど、 国内外問わず、同年代から圧倒的な支持を受ける、今最も注目すべき若手アーティストの一人である。
——Profiles——
吉村界人
俳優
1993年2月2日生まれ、東京都出身。
2014年『ポルトレ-PORTRAIT-』で映画主演デビュー。以降、多数の映画、ドラマ、CMに出演。
2018年 第10回 TAMA映画賞 最優秀新進男優賞を受賞。現在公開中の映画『いちごの唄』、『Diner ダイナー』に出演している他、『わたしは光をにぎっている』への出演を控えている。
〈主な出演作品〉
2014『ポルトレ-PORTRAIT-』(監督:内田俊太郎)
2014『百円の恋』(監督:武正晴)
2016『ディストラクション・ベイビーズ』(監督:真利子哲也)
2016『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』(監督:宮藤官九郎)
2017『獣道』(監督:内田英治)
2017『お前はまだグンマを知らない』(監督:水野格)
2017『関ヶ原』(監督:原田眞人)
2017『ビジランテ』(監督:入江悠)
2018『モリのいる場所』(監督:沖田修一)
2018『グッド・ドクター』フジテレビ
2018『コールドケース 2~真実の扉~』WOWOW
2019『いちごの唄』(監督:菅原伸太郎 原作:岡田惠和・峯田和伸)
2019『Diner ダイナー』(監督:蜷川実花)
2019公開予定『わたしは光をにぎっている』(監督:中川龍太郎)
小野寺亮 おのでら・りょう
写真家 / 映画監督
1993年福島県生まれ。
ポートレートを軸に、ファッション、アーティスト写真など幅広く活動。映画監督としても活動しており、監督作品である「トウメイの壁」はゆうばり国際ファンタスティック映画祭他、全国の映画祭で注目を集めた。現在最新作準備中。
HP : http//onoderaryo.com/top
Instagram : https://www.instagram.com/onodera_ryo/
Photo Exhibition
2016 “ヨソモノ” (吉村界人)
2016 “Nobod Knows” (木竜麻生 / 森優作 / 井端珠里 / 潮みか)
2017 “0.1cm” (木竜麻生 / 玄理 / 中村映里子)
2017 “ZÔTÔKA” (村上虹郎 / 小林竜樹)
監督作品
2017『トウメイの壁』(映画)
2017『Nehanne MIHARAYASUHIRO 18SS COLLECTION MOVIE』(CM)
2018『育学園 Web Movie』(CM)
2018『津山市 City Promotion Movie』(CM)
2018『phai – I’ll do(feat.POINT HOPE)』(MV)
塚本弦汰
Photographer/Director
1993年生/ 東京都出身
instagram @g_zooo1
Twitter @g_zooone
2015年 日本写真芸術専門学校を卒業後スタジオで働きながら活動を続けアーティスト写真、ライブ写真映画ポスター、ドラマスチール、MVなどを中心に活動中。
【STEEL】
2015 どついたるねんライブ
2017 映画『スクールアウトサイダー』(監督:松本花奈)
2017 短編映像『hello Never Mind』(監督:浅井一仁)
2018 MV『ガラスを割れ』下り坂46 アバンティーズ
2018 MV『BOY』踊ってばかりの国
2018 TBS 情熱大陸松本花奈短編
2018 テレビ東京ドラマ『恋のツキ』
2018 テレビ東京『電影少女特別編』
2019 映画『テラリウムロッカー』(監督:葛 里華)
【個展】
『ぴゅあ尻展』atはやとちりギャラリー
『Pure ass展』atはやとちりギャラリー
【作品】
どついたるねん2014-2017
踊ってばかりの国ZINE Vol.1
安本 侑史
スタイリスト
鳥取県米子市出身
国内外のファッション媒体、アーティスト、タレントなど幅広い分野で活躍中。