TRAVEL

フィリピンでの撮影最終日、柳楽優弥と向き合った。俳優として、一人の冒険者として、彼が考える人生、そして今後の野望とは!?

Starring: Yuya Yagira
Text: Makiko Yamamoto
Photo: Taro Washio
Movie: Hiro Mitsuzuka
Music:utakata #01 / Yukihiko Yotsukura
Hair& Make-up: Motoko Suga
Styling: Lambda Takahashi
Cooperation: TPB/ Cebu Pacific

Special Travel

Yuya Yagira in the Philippines
——Interview——

柳楽 優弥 フィリピンVol.4 インタビュー

Yuya Yagira in the Philippines 柳楽優弥 スペシャルインタビュー

Q今回初めてのフィリピンということでしたが、印象はいかがでしたか。

A第一印象は“フィリピンの方々はみんな笑顔だな”ということ。あとは綺麗な海で遊んだり、バイクに乗ったり……と、体を動かせるアクティビティも充実しているなと。シャルガオ島はサーフィンの聖地だそうで、僕はまだやったことはないですが、やってみたいなと思うくらい、みんなが気持ちよさそうな雰囲気だったのが印象的でした。島全体に爽快感があるなって思いました。
あと、フィリピンの食事も大好きになりました。新鮮なイカをはじめとしたシーフードも充実していたし、お肉もすごくジューシーで美味しかったですね。

Q陽気なフィリピン人は歌とダンス好きで有名ですが、今回はクラブでの撮影もありましたよね。

A僕はクラブは普段あまり行かないんですけど、音楽がとても好きなのでよく聴くんですね。だからとても楽しめました。クラブには地元の方や観光客等色々な人種の方がいたのも面白かった。話しかけてくれた方もフランス人だったりして、シャルガオってヨーロッパですごく人気のエリアなんだなって改めて実感しました。
どうして今まで知らなかったんだろうというくらい、ナイトライフも充実してるし、お昼のマリンスポーツや食事も充実してるし、良い場所だなって感じました。
4泊5日でしたが、それでも充実した休日になるんだなって思いましたね。今回は仕事でしたが(笑)。

Q柳楽さんは普段、旅はされますか。

A旅は好きで、色々行くようにしてますね。でも、まだまだ知らないところも、行ってみたいところも多いので、時間があったら極力出かけたいなと思います。
旅では新しい発見をしたいといつも思っています。
映画祭などでも色んなところに行かせていただいているのですが、その土地土地の歴史だったり、現地の方々との様々なコミュニケーションを通しての発見もあるし、自分の中での「こういうのも好きだったんだ」という発見もあります。
自分の決まった生活のリズムからちょっと抜け出して、新しい世界に行ってみるというのは“発見”があるなと感じます。
あと旅上手な人は生きるのが上手な気がしますね。
海外旅行であろうと、日本国内であろうと、旅をしていく過程で“自分で自分のことを見つけていく”という……もちろんその中に失敗もあるでしょうし、そういう事が人生の引き出しになるんじゃないかなと僕は感じますね。

Q旅も人生もアドベンチャーですもんね。柳楽さんも人生を冒険されていますよね。

Aそうですね。「つまらない」と思われたくはないので、できれば面白い俳優でいたいなと思います。でも今までの一番の冒険はまだないですね。これからです。

Q今年は20代最後の年ですね。人生の半分以上を俳優として過ごされてきましたが、振り返ってみていかがですか。

A僕は12歳で「誰も知らない」という映画でデビューしたんですけど、その映画をきっかけに色々な作品に参加させてもらえることになって。
まだ“演技する”ということが分からない状態の中、色々な大きな映画に参加していました。そのような環境にいたら自分の力不足感を嫌でも感じるというか、もっと上手くなりたいとか、悔しいなとかも思いますし、そういうことを思っていた10代だったなと。
“意地でも前に進みたい”という気持ちは僕の中にいつも変わらずあるので、何事も経験だろうと思って20代でちょっとバイトしてみたり……本当に良い経験をさせてもらえたなと思います。
あとは色々な先輩だったり、指導してくれる監督や演出家の方との出会いがあり、自分にとって、とても良い積み重ねができてきたと思います。
たとえ小さい役柄であっても“チャレンジしてみよう”という意識でやってきて、そういうものを面白がってくれる方とかが出てくると、「あ、こういうのが面白いのか」って。
今までやってこなかったところにもチャレンジして、色々な役柄をやるんだ、というのを20代のテーマにしていたので、それを面白いねって言ってもらえたことが、今の自分の引き出しとか力になっているのかなと思います。

Qそうですよね、10代でデビューされてから今まで色々経験してこられましたよね。その中でも特に俳優として印象的な出来事はありましたか。

A20代前半の頃に蜷川幸雄さんの「海辺のカフカ」で初舞台を踏むことが出来たんですけど、蜷川さんに首根っこ引っ張られながらもアツく指導していただいたりして……そうやって関ってくださった方々に本当に感謝しています。
その舞台も評判が良くて、そのあと再演も続くようなすごく良い作品に参加することが出来て良かったなと。
あと福田雄一監督の「アオイホノオ」というドラマで初主演をすることが出来たり、他にも「許されざる者」という映画では、リ・サンイル監督率いるとても厳しい環境の中で“自分を疑う”ということを覚えました。
そういうところをすごいエネルギーで教えてくれる方々や環境には一生感謝しますし、忘れられないですね。

Qその中でたくさんの人生の選択もされてきたんでしょうね。柳楽さんが考える“選択の基準”はありますか。

A20代では自分に向いている、向いていないという部分を隔てることなく積極的に色んなことにチャレンジできたと思っています。
30代では少しずつ「自分を高められるな」と思うほうを選んでいきたいなと思いますね。
でも、選ぶときの軸は面白そうかというのも大事です。もちろんそれだけじゃないですけど……やっぱり自分のためになる環境にいたいですよね。

Q今後はどんな俳優になりたいと思われますか。

Aそうですね。今は色々な作品に関われているなと思えるし、あと本当に良い監督や演出家の方に出会えています。芝居どうこうは僕が決めることじゃなくて、お客様とか観てくれた方が決める印象なのでそこはお任せしますけど、そういう方々に出会えたってことには僕は自信を持っているので。だからそこでしっかりと学んだことは、大事にしていきたいですね。
今後、またもし僕を使ってもらえた時に「なんか初めて会った時よりダメだね」とは絶対思われたくないので、しっかりと前進していきたいです。
僕は夢が大きいので。なんですかね、本当にムービースターになりたいと思います。日本の映画界ってかっこいいなと思ってずっとやってきているので、そこは誰が何と言おうと曲がらないというか。映画をきっかけに12歳くらいから遠回りしながらも、映像の世界にたくさんの事を教えて頂けたという気持ちがあるので、そこはしっかり背負いつつ、良い作品、より多くの方に見てもらえる作品に関わりたいなと思いますし、関われる俳優になりたいと思います。

島のアクティビティで見せた無邪気な笑顔、インタビューに真剣に答えるときのハッとさせられるような鋭い眼差し……。その全てが柳楽優弥であり、様々な経験を重ね、それを全て血肉にしている彼の奥行きの果てしなさを確と感じる旅となった。
自分に正直で純粋だからこその葛藤や苦悩を経て、今の彼があるのだろう。
多くを語らない彼は未だ僕らにとってミステリアスでありつづけるが、唯一の確信は、柳楽優弥は正真正銘の冒険野郎だということだった。

End