COLUMN

LIFE IS A JOURNEY #004

Hiro Nishiuchi

価値観が覆る場所、キューバ

旅のあとに観たのですが、とても勇気がもらえる一作です。キューバのラテンミュージックを聴くだけで、キューバで飲んだモヒートと初めて経験したシガーの味が蘇ります。

今まで約40ヵ国近くを旅してきた。
そんな旅にハマってしまったのは20歳の頃。

16歳で東京に一人で上京したものの、20歳で人間関係や仕事に疲れてしまい全てを辞めて、初めての一人旅に出た。

それまでは、人見知りでコミュニケーションが得意ではなかったし、むしろ”人”嫌いになっていた私が、海外へ行けば行くほど価値観が変わり”人”との出会いも楽しさが増して行った。

人がまた人を繋げてくれたり……。
違う国、違う文化だからこそ、”人”から学ぶ事は多かった。

その先には、見た事のない世界が広がっている。
日本だけの世界では絶対に感じる事のなかった世界。

例えば、2015年に行ったキューバ。

アメリカと国交を断絶していたのだが、回復してすぐにキューバへ向かった。

そこはまだ60年代でほぼ止まったまま。

建物も、車も、道も……
古い車から出る排気ガスの匂いや、レトロなクラクションの音に、まるで映画の中にいる様な錯覚に陥る。

タクシーに乗って隣町まで行った。
そのタクシーもブルーの可愛いレトロな車だ。
前部席もベンチチェアになっていて、シートは新しい布で縫われていて、ある意味新鮮なタクシーだ。

そしてお兄さんはガンガンに音楽をかけ始める。
日本ではありえない。

気付いたら助手席には女の人が乗っていた。
乗り合いの人かな、と思って聞いてみると、なんと彼の奥さんだった。
長旅になるから連れていくのだと。

日本ではありえない。

イライラするのか?
面白いと思うのか?

日本だけに留まっていたら気付く事のない世界。

あまりにも、このレトロカーが可愛いすぎてたので、つい、「この車、いくらぐらいで買えるの?」と聞いてみた。
「そんなの分からないよ。この車は、ひいお爺さんから乗り継いでいる車なんだ。金額なんてわからねぇ」

“はっ”っとさせられた。

そうか。
物=いくら?

って思う事自体もおかしいんだ。

この国は今まで閉鎖されていて新しいものが入ってこなかった。

だから、こうやって、物を大切にして車も乗り継いでいる。

そうやって、他にはないキューバという国が出来たのか。

旅に出れば出るほど固定概念が全て崩されて行った。

違う国へ行けば言葉が変わり、文化も変わってゆく。

そこには正解はなくて、時にはトラブルも付きもの。
イライラする事もあるけれど「そうか、そんな考え方もあるのか」と自分の引き出しが増えていく。

つまり、柔軟に生きていく事の必要性に気がつくことができた。

どう生きていても、予想のしない出来事がおきる。

そんな時、自分の引き出しをいくつ開けられるのか。増やして行けるのか?

いくつかのシナリオを考えて、どこへ転んでもそれを面白がってポジティブにどう変えて行こうかと言う感覚が備わっている事に気がついた。

これも”旅”のおかげ。

読めない将来は、不安になる事も多いけど、自分次第で変わる未来は少しワクワクもする。

予想外のサプライズが待っているかもしれない。

旅に出られない今、これまで見てきた世界の景色や出会った人から学んだ事……。
それらのインプットをアウトプットして、今しか出来ない事を創り出してゆこうと思う。

そして、また旅が出来る様になったら旅に行ける事を更にありがたく感じて。

人生は一回きりなのだから、思いついたら即行動をまた始めて行きたいと思う。

西内 ひろ

#PASSPORT BOOK vol.1 in CUBA
価格¥ 2,700
旅先でスタンプをおしていく様に、旅の思い出を写真と文章で綴るブック。 2014年ミスユニバース ジャパン、準グランプリの西内ひろと、2002年ミスユニバース ジャパン ファイナリストの大島央照が、2014年ミスユニバース ジャパン選考会の撮影で出逢い、今年春に再会したところから始まる。 ここにしかない自分だけ#PASSPORTBOOK。 一緒に旅をした気になる、旅をしたくなるブックを写真と文章で構成しvol.1として、 IN CUBA.編を制作

Profile:

西内ひろ/ モデル・タレント・女優
地元福岡でスカウトされ、芸能界入り。2010年から旅にハマり約40ヵ国近く旅に出る。
2014年ミス・ユニバース・ジャパン 準グランプリ。
書籍「準グランプリ」発売、宝島社。トライアスロンや東京マラソンに挑戦するなどヘルシーなライフスタイルも発信。
2019年・2020年とフィリピン観光大使にも任命され、フィリピン映画や雑誌、番組などでも活動中。
西内ひろ Web サイト

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