COLUMN

LIFE IS A JOURNEY #005

Yuya Yagira

刺激をくれた場所ニューヨーク

The Notorious B.I.G. – “Big Poppa”

2019年1月、僕はニューヨークにいた。
以前から少しずつ進めていた英語の勉強を、本場で深めたいと思ったからだ。

仕事の合間の2ヶ月。
それは僕にとってとても思い出深いものになった。

知人の勧めでニューヨークではブルックリンのベッドスタイというエリアに滞在することにした。そこはユダヤ教の文化やアフリカ系アメリカ人の文化が入り混じった活気ある地区で、通りを歩く人たちみんながなんだか自由にみえた。

限られた時間の中で英語の勉強を効率的にするには……?

そう考えた僕は近くのレストランでお手伝いをさせてもらうことにした。
就労ビザをもたないからもちろん無給で。
オーナーもスタッフもいい人たちばかりでとても楽しい時間となった。

Travis Scott – SICKO MODE ft. Drake (Official Video)

そこでは“生の英語”を体験することができた。
「文法なんて関係ない、伝わればいいんだよ」って当時可愛がってくれたオーナーが教えてくれたのは印象的だった。

「KLEINBERG’S」のスタッフたちと

「KLEINBERG’S」というそのレストランで流れていた曲がこのThe Notorious B.I.G. の “Big Poppa”だった。ビギー(The Notorious B.I.G.の愛称)やJay-Zがこの近所出身だったというのもあってか、ヒップホップがよくかかっていた。

JAY-Z – Hard Knock Life

僕にとってニューヨークを思い出すこれらの3曲。
ベッドスタイの街にはラジカセを肩に担いでガンガンヒップホップを流しながら通りを歩いている地元のおじさんもいたっけ。

自由な街だ。

東京もニューヨークも日々せわしなくフル回転している。
そんなニューヨークの空気を20代のうちに味わえたというのは、仕事をする上で非常にいいモチベーションになったと思う。

僕にとって、ヒップホップとは、「這い上がっていく」「成り上がっていく」というようなブラックカルチャー特有の強いエネルギーを感じる音楽だ。
ニューヨークを思い出したいときはもちろん、たまに仕事で上手くいかず落ち込んだりしたときに、ヒップホップを聴く。

そして「また頑張ろう」と自分を鼓舞するんだ。

柳楽 優弥

Profile:

1990年3月26日生まれ、2004年、『誰も知らない』でカンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞。

主な出演作に『ゆとりですがなにか』『おんな城主 直虎』等のテレビドラマ、『銀魂』シリーズ『ディストラクション・ベイビーズ』『夜明け』『泣くな赤鬼』『ザ・ファブル』等の映画。
12年に蜷川幸雄演出『海辺のカフカ』で初舞台。『金閣寺』『NINAGAWA・マクベス』『CITY』に出演。

アニバーサリーブック『やぎら本』(SDP)2020年9月20日に発売予定。
国際共同制作 特集ドラマ『太陽の子』(NHK総合/BS4K/BS8K)2020年8月15日放送予定。
映画『HOKUSAI』2021年公開予定。

※「やぎら本」収録イメージカット (C)SDP 撮影:Takay

映画『HOKUSAI』メインビジュアル

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