ADVENTURE JAPAN Vol.19 星のや軽井沢 心身ともに安らげる場所 木々と水が織りなす自然を讃えた広大な敷地は、軽井沢にあったであろう昔ながらの集落を思わせる。訪れた誰もがどこか懐かしさを覚える……星のや軽井沢で安らぎの滞在を。 Photo, text: Makiko Yamamoto Share 旅も食事も細心の注意を払わなくてはいけなくなった昨今。 星野リゾートはいち早く「3密回避の旅」と銘打ち、安心安全な宿泊体験を提案してきた。 その徹底的な対策は我々に「旅」を楽しむゆとりと幸せをもたらしてくれる。 この年末年始に帰省を憚られた方も多いだろうが、ここ、星のや 軽井沢はそんな方々にこそ訪れてもらいたいリゾートだ。 古来の地形や植栽を生かして設計された敷地は、穏やかな空気に包まれ、まるで故郷に帰ったかのような気持ちになるだろう。 客室は集落を流れる川に面した「水波の部屋」と木々に囲まれた静かな滞在を約束する「山路地の部屋」、また開放感豊かな戸建ての「庭路地の部屋」 の3種類。 どの部屋も静かに過ごせるように設計されており、好みで使い分けるのがいい。 広々とした敷地を贅沢に使用した客室ゆえ、まるで軽井沢の別荘に滞在しているかのような落ち着いた時を過ごせるだろう。 温泉&スパ 宿泊者専用の温泉「メディテイションバス」はその名の通り湯に浸かりながら瞑想体験を味わえる温泉だ。 39~40℃に保たれた掛け流し温泉は、自然光が溢れる光の空間と、心静まる闇の空間に分かれており、長湯をしていると心身のエネルギーが次第に整っていくのが感じられる。 星のや軽井沢では川に面したトリートメントルームでのスパがおすすめだ。 好みの香りを選んで、マッサージに身を委ねる至極のひととき。 2人で施術を受けることもできるので、ぜひ大切な人と一緒に予約していただきたい。 「日本料理 嘉助」 冬の軽井沢を表現した八寸。「日本料理 嘉助」の八寸は気に入った品をお代わりすることができるユニークなサービスを取り入れている。 四季折々の山の恵みを日本料理に反映させることをコンセプトにしたメインダイニング「日本料理 嘉助」。 一品ごとに趣が凝らされた料理は、見た目に美しく、舌に美味しい……まさに感動の味わいだ。 料理長の稲家 栄二氏は大阪の割烹で日本料理の腕を磨き、その後数々のホテルや旅館のテナントの立ち上げに携わり、成功を収めてきた。彼の料理は伝統的な日本料理を礎に、西洋料理で使う素材や調理法が取り入れ、今までにない味わいを実現している。 星のや軽井沢オリジナルの日本酒「雁と月と」。メインは肉と魚から選択可能。 星野リゾート サステナビリティポリシーの源流 極力プラスチックを使用しない、客室に備え付けの水をペットボトルから汲み置き式のウォーターボトルへと置換するなど星野リゾートが推進している「サステナビリティ」の取り組みや環境への配慮は今に始まったことではない。 ここ、星のや軽井沢では2005年の開業当時から自然への負荷を最小限に抑えるため、消費エネルギーを自給自足(EIMY)し、水力・地熱からの発電、温泉排湯の暖房利用、エネルギー保存のため工夫した建築、バイオマス利用リサイクルなどを進め、約70%のエネルギーの自給自足を達成している。 またその前身である1904年創業の「星野温泉旅館」では温泉掘削や水力発電所の設置などを通じて旅館機能を充実させてきた。 今も軽井沢星野エリア内、「星野温泉 トンボの湯」近くには発電所の跡が現存している。 創業者星野嘉助氏は技術者とともに、国内の宿泊施設に先駆けて自社の水力発電施設の完成を目指した。 1929年、努力が実りタービン水力による水力発電が開始、ここに自然環境と共生したリゾートが発足する。 こうした志は脈々と受け継がれ、今の星野リゾートの礎となっているのである。 世界の激変に触れ、溢れ出る情報を吟味する日々。 文字通りの”息ぐるしい”日常から解放されたいと誰もが思っているだろう。 星のや軽井沢では、そんな一切合切から切り離されたような感覚になることができた。 つかの間の安楽。 筆者が一番求めていたことだ。 そんなことを考えながらふと見上げると、そこには輝かしい満月が浮かんでいた。 星のや軽井沢 〒389-0111 長野県北佐久郡軽井沢町星野 電話予約:0570-073-066( 10:00〜18:00 ) https://hoshinoya.com/karuizawa/ GALLERY