軽井沢星野エリア、美しい森林の中に佇む「星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート」。
ホテル周辺が手入れの行き届いた「木々の庭」になっており、四季折々の自然を求めて散歩するのにちょうどいい。
冬には毎晩ライトアップが施され、暖かな光があたり一帯を包み込む。
幻想的な光景は都会の喧騒を忘れさせてくれ、我々大人にとっての心の癒しになるだろう。
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ランタンのキャンドルは毎日スタッフが一つひとつ心を込めて灯す。その優しい光はいつまでみていても飽きることがない。
Bleston Court Yukawatan
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エリア内の一軒家レストラン「ブレストンコート ユカワタン」では、コンセプト「水のジビエ」のもと、
旬の食材を、それが一番際立つ方法でテーブルへと届ける。
「自然が教科書」。
シェフはその哲学をこう言い表す。
土地のものをその土地で味わう……心と身体が喜ぶ”五感を満たすエクスペリエンス”はまさに食べられるアート。
今回は冬の期間限定特別料理「王様のジビエ」(2020年12月1日~2021年1月11日)を紹介しよう。
四季折々のコース料理を提供しているので、予約前にこちらで確認してほしい。
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鹿や猪、山鳩、雉など 4 種類以上のジビエを、トリュフやフォアグラ、フルーツとともに幾層にも積み重ね、パイ生地で包み焼き上げた料理「パテ・ド・ ロワ」。パイに使用する型は、細工が施された王冠の形をした特製の金型で、フランスから取り寄せているとのこと。焼き上がったパイはスタッフがゲストの前で切り分けてサーブする。
冬は、長野県をはじめ多くの県で狩猟が解禁となり、ジビエが充実する。
ここ、ユカワタンでいただく「王様のジビエ」は贅を尽くしたジビエ料理「パテ・ド・ロワ」と「野兎のロワイヤル」を含むコース料理。
「ロワ(またはロワイヤル)」とはフランス語で王様を意味し、これらの2品は、かつてフランス王侯貴族のための特別料理であった。どちらの料理も、食材が希少であることに加え、出来上がるまでに多くの労力と時間がかかることが、料理に王様と名が付く由縁なのだという。
筆者の主観であるが、近年不猟続きで東京でもなかなか新鮮なジビエに出会う機会が減っているので、ここ軽井沢でいただけるとは非常に有難い。
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様々な素材が重なる断面はまるで美しい抽象画のよう。ミンチや塊、ナッツの食感やフルーツの甘みなど、一口ごとに様々な食感と味わいが口内に広がる。
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ジビエの女王とも言われる野兎を使った古典フランス料理「野兎のロワイヤル」。獣臭が強いと言われる野兎だが、調理に3日以上を要することで柔らかく、旨味のみが残った逸品に仕上がっている。赤ワインや香 味野菜、ハーブ、スパイス、ダークチョコレートなどのいくつもの食材を、野兎を ベースにした出汁に合わせたソースを添えて。
またユカワタンではぜひワインペアリングをお勧めしたい。
ペアリングは通年提供しているが、とくにジビエの時期にはブルゴーニュの貴重なワインが登場する。
特筆は「野兎のロワイヤル」に合わせられた、「1998 年 Pommard 1er “les Rugiens” Domaine Lejeune」(1998 年ポマール プルミエ “レ・リュジアン”ドメーヌ・ルジューヌ)をマグナムボトルで提供する点だ。
マグナムは元々出来のいいワインが詰められることが多いうえ、また熟成もゆっくりすすむため、ヴィンテージが長くなればなるほど通常のボトルよりも美味しいと言われている。
他にも泡、白赤と素晴らしいラインナップなのでぜひ来季体感していただきたい。
腕利きのソムリエによるマリアージュは特別なディナーをより格別に引き立てる。
素材の味を活かし丁寧に作られたジビエ料理と選りすぐりのワインを楽しむ夜……。
これぞまさに大人の贅沢と言えるだろう。
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軽井沢ホテルブレストンコート内のセラーにて。
食事を終えたら部屋でゆっくりと過ごしたい。
木々の揺らめく音、風の歌が聴こえるほどに静かな軽井沢の夜。
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宿泊は離れのコテージで。
天井が高くシンプルでモダンな造りがなんとも居心地がいい。
寒い冬でも十分に暖かく、また加湿空気清浄機も設置してあるため、快適に過ごすことができる。
バスタブに浸かりながら、部屋に備えてあるハーブティーをいただくもよし。
木のテーブルと椅子を書斎にして仕事に打ち込むもよし。
“森の音”を感じられる環境は我々の心を解放し、また創作意欲もかきたててくれる。
また季節を変えて来よう、そう心に誓った。
星野リゾート 軽井沢ホテルブレストンコート
〒389-0195 長野県軽井沢町星野
TEL 0267-46-6200
https://www.blestoncourt.com/