COLUMN

LIFE IS A JOURNEY #008

Junpei Mizobata

“人生で大切なこと”を教えてくれた恩師

映画『スタンド・バイ・ミー』

「スタンド・バイ・ミー」(Amazonはこちら

僕が『旅』という言葉で頭に浮かぶのは小学校の担任の先生です。
当時、先生は25歳。
勉強よりも友情。授業も課外授業に一番力を入れて普通では経験できない沢山のことを経験させてくれました。
マニュアルとはほど遠い先生の教育。
文化祭、BBQ、花火大会と、僕たちのクラスだけ自由で破天荒でした。
算数の授業中にみんなで『算数をやりたくない』と主張すると、その時間は校庭でドッジボールに変わったり、家庭訪問でもないのに生徒の家に遊びに来たり。
おかげでその年は、クラス全員の学力はあまり良くありませんでしたが、それ以上に多くのものを教わりました。
当時10歳だった僕には、全てが刺激的で冒険のようでした。

『スタンド・バイ・ミー』という映画は世界的な名作ですが、観る度にあの頃の感覚を呼び起こしてくれます。田舎町での噂を確かめる為に冒険する4人の少年たちは様々なことに怯えながらも、儚い輝きがあります。自分は何者で、世の中とどう繋がっていくのか。
劇中に『私たちは自分たちを知り、どこへ向かっているかを知っていた』という大人になった主人公が過去を振り返って言う台詞があります。大人になると立場やしがらみによって、本来持っていた目的から遠ざかることもありますが、『あの頃はシンプルに物事を捉えて邁進することが出来ていたな』と、自分にも当てはまる言葉です。

傍から見ると小さな町のささいな出来事かもしれませんが、当事者にとって『旅』というのは距離や場所じゃなくそこで何かを感じる大きさなのだと教えてくれます。
この作品は決して明るくて前向きなものではなく、消化しきれない様々なしこりがあるように思います。必ずしも楽しかったことがいい思い出ではなく、振り返ってみて初めて後悔が人を成長させてくれるものだと気づかされます。

あのとき側に居てくれた人、喧嘩してでも側に居て欲しかった人。
台詞に『あのときような友達はできなかった。それからもう二度と…。』とありますが、『Stand by Me』の題名どおり、当時仲間といるとなんでもできるような気がしていたし、今でも変わらず“与えられて与えて”の関係性です。

ひと夏の、僕と先生が過ごした、たった一年の、あのときのような感覚を持って『旅』が出来たら幸せだろうと思います。だから『スタンド・バイ・ミー』を見ると『旅』をしたくなるのかもしれません。
先生が転勤するときに一文字『旅』と書いた色紙をくれました。
いい言葉だなと思い、20年経った今も実家に飾ってあります。

溝端 淳平

Profile:Junpei Mizobata

1989年6月14日和歌山県生まれ
血液型:A型
特技:和太鼓、サッカー
JUNONボーイ史上最多の40社の芸能事務所がオファー歴代最多記録。
中学時代にテニスで和歌山県大会2位。
レギュラー雑誌:2007.2~ JUNON

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