COLUMN

馬ッ鹿パッカーズ

魁!!! 男旅 〜ギンギンに旅する大人たち〜

全力で冒険をする大人たち「馬ッ鹿パッカーズ」
——先入観を捨てて旅に出る、現地でしか出会えない“何か”を求めて——

Interview/ text: Makiko Yamamoto
Photo: Taro Washio
Video: Yuki Tanzawa

Q新連載「魁!!! 男旅〜ギンギンに旅する大人たち」を担当くださる馬ッ鹿パッカーズ。今日は計8名のメンバーからKenji(TOP写真左)さんとGaku(TOP写真右)さんにお話を伺います。まず馬ッ鹿パッカーズ結成の由来を教えてください。

AKenji:6年前に男8人が集まって結成してポーランドへ行ったのが始まりで。それぞれ仕事があるから、タイミングが合うヤツでってことなんですが、みんな意地でも参加しようとする感じで。
僕はモデルをやっているんですけど基本的にメンバーはその仲間が多いですね。それ以外でも、ひょんな繋がりで出会ったメンバーもいて、基本的に飲むスタイル、遊ぶスタイル、仕事のスタイルが一緒のヤツが、年に1回旅しようよという感じでそれから毎年やっています。バカな旅を(笑)。
僕らは夏に行くと決めているので、6月末か7月半ばの間でみんなスケジュールを調整して、行く国だけ決めて現地集合するんです。現地で行く場所は各々が意見を出し合ってその時々で決めていく。とりあえず旅をスタートさせようっていう感じで。

Q馬ッ鹿パッカーズという名前を聞くだけでも、旅先ですごい事してそうって思ってしまいます(笑)。

AKenji:言えることと言えないことがあるかもしれないですけど(笑)。
名前の由来は、自分たちも30代になってきて、仕事はもちろん家庭をもつ仲間もいたりして、色々制限や責任が出てくるのは当然で。
でも、そんな中でも1年のこの期間だけは「生きている中でMAX馬鹿しながら男同士で旅しようよ」って決めて、そこから取った馬鹿とバックパッカーを合わせて馬ッ鹿パッカーズとつけました。

Gaku:そうそう。「俺ら馬鹿じゃね?」って、バカやってるパッカーズ(笑)。

Q初回の旅から馬ッ鹿パッカーズだったんですか。

AKenji:最初の旅では名前はなかったんですけど、終わった後に「楽しすぎたよなアレ」って“旅ロス”みたいな状態に全員入っちゃって(笑)。
「思い出したらほんと俺らバカなことして遊んでたな」ってことで、みんなで馬ッ鹿パッカーズを発案して今に至ると。

Qインスタを見ていても、みなさんさすがモデルでタキシードでキメて絵になるな〜っていうのもあれば、シンクロナイズドスイミングみたいに、真顔で変なことやったりしていて、クスッっていうかツボというか。

AKenji:ちょっと女心をくすぐるというか? (笑)。

Qま、まぁ(笑)。とにかく面白いなと!

AKenji:見た目が良い人って世界中にいくらでもいると思うんですよ。
でも、人生を必死に生きながらも死ぬほどバカできる人間はなかなか少ないのかなと思っていて。今、結局残ったメンバーも各々がそういう奴ら。
だったら旅でカッコイイのもMAXやって、馬鹿もMAXやろう!全員笑わせるものを持って帰ろうというのがテーマでやってますね。

Qそういえば、服装も毎年テーマが決まってるんでしたっけ。

AKenji:はい。一昨年はギリシャに行ったんですけど、その時は海沿いのリゾートだったんで、みんな白だけは揃えようと言って白のジャケットを持っていって、サントリーニ島でみんなでキメキメで写真を撮ったり。あとはお揃いで祭りの半被(はっぴ)を持っていったりとか。そういうのにお金かけてしまいますね。「お祭りやろうぜ!」みたいな。

Gaku:中途半端じゃなくてガチで揃えるので…そこにはお金をかけますね。

Q地元の方とのふれあいもあるとか。

AKenji:基本的にガイドブックとかは読まずに、向こうのサイトをチェックしてどこのレストランが美味しいとかのレビューをリサーチしたりするんですが、地方に行って、会う人会う人に喋りかけて店や遊ぶ場所を決めて、旅するみたいな感じで、必然的にコミュニケーションが生まれます。

Q語学が出来なくても大丈夫ですか。

AGaku:ある程度みんな英語が出来ますが、喋れないメンバーもいます。でも単語繋げちゃえばなんとかなるんですよ。そこはあんまり問題ないですね。

Kenji:それに、日本人ってだけでみんな好感をもってくれるので、そこを上手く利用したりとか、とにかく恥ずかしさを捨てて、ファンキーにいけば誰でもコミュニケーション取れるかなと思うんですけどね(笑)。

Qそんな馬鹿なヤツらの旅先でのナイトライフも気になります。

AKenji:夜は夜で各々カッコイイスタイルを持ってきてて、それで夜の街に繰り出します。そこでテキーラ祭りをしたりとか(笑)。
飲みの場に行って、そういうちょっとクレイジーなコスチュームで揃えてる時点で目立つし、お酒をオーダーする時も周りの人たちを巻き込んで、お酒を頼むんですよ。
基本僕たちが海外で夜お酒を頼むときは、“男気ジャンケン”で、勝った奴が全部おごるという方式でやってます。7人しかいないのにショット20杯とかオーダーして、それを周囲の人にも配って輪を作るみたいな。

Qで、翌日もまた観光!?

AKenji:朝バッチリ起きてガッツリやります。

Gaku:起きない奴も叩き起こして(笑)。1カ所にいられる日数が少ないから、もうギリギリまで死ぬ気で遊ぶというか。

Qそのために1年間をかけて強い肉体を作るという感じですか。

AGaku:おっしゃる通りです。他のメンバーはモデルという仕事柄ずっと鍛えたりしてるんですけど、僕は普通の仕事なので、常にではなく、そこに焦点を合わせて1ヶ月前から絞って、身体だけはバカにされないように。逆にお酒は抜いていきます。
スイッチが入れば素晴らしい楽しい集団なんです。そのために、各々最低限の基準を満たすように努力は欠かせません。

Q本気度がスゴすぎます(笑)。

AGaku:自分が写真で恥をかかないようにしているだけです。

Qバックパックというくらいだから、荷物も最小限?

AKenji:基本誰もスーツケースを持ってこないですね。旅は毎年1週間〜10日くらいなのですが、みんな機内持ち込み可のバックパックとかで来てますね。

Q確かに荷物ロストとかあったら大変ですもんね。

AKenji:そうですね。まぁあったらあったで面白いじゃんって過ごすと思いますけどね(笑)。

Gaku:服とかも破れたりしたら現地調達すればいいので、最低限。現地調達したほうが雰囲気もでるし。

Q現地集合ということは、メンバーさんの皆さんは世界中にいらっしゃるんですか。

AKenji:イギリスに住んでるヤツもいれば、フィンランドに住んでるヤツやアジア周辺に住んでるヤツもいます。僕らは東京に住んでて、そんな俺たちが旅で年に1回顔を合わせるという。

Q馬ッ鹿パッカーズならではのルールはありますか。

AGaku:基本断らないということですね。ノリの悪い奴はいらない。お酒買うときのジャンケンとかも一人が言い出したらみんな参加するし、そこで「俺はいいよ」とか言うのはナシですね。みんなとりあえず「Yes!」といって、あとはなるようになるなと。これが俺らの中の理念ですね。

Kenji:まぁ確かにみんなイエスマンというのはありますね。
あとは、先入観を持たないってことかな。行ったことがない国で情報が少ない場所って特に日本では、「あの国は危ないよ」とか、「あそこは汚いよ」とか、イメージ先行が結構多かったりするんですよ。
でも、僕らが旅をしていつも思うことは、「自分で見て感じないと本当のところは全く分からない」ってこと。
行ったらイメージと違うことっていっぱいあるし、むしろ日本より安全かもしれないとか、日本よりハッピーな人たちがいっぱいいるよとか、必ず色んな発見があるんです。
先入観や固定概念でそこには行かないとかは絶対にしない。事前にあれこれ調べないって、さっき話したのもそういうことなんですよね。
基本的に自分で見て聞いて、考えて感じてその国を楽しむ。それは根本としてありますね。

Gaku:うん、危ない、楽しい、というのはローカルの人に聞いて、危なかったらちょっとやめようとか自分たちでラインは引きますけどね。現地で得た情報を元にして最大限ローカルに混じって楽しむということが旅の目的の一つですね。

Qそれって旅をしている人にしか分からない感覚ですよね。だからこそアドキンではみんなに旅をしてほしい。リアルを感じて欲しいと思っています。

AKenji:そうですね、「魁!!! 男旅〜ギンギンに旅する大人たち〜」ではそういうのも発信できたらなと思いますね。
この国って実はこうなんだよとか、まだ知られていないけど、良い所がいっぱいあって…って、人や土地に出会うことで視野が広がって、それこそが生きていく上での可能性を広げているのは事実であって。
そういう感覚を持っている人って日本には少ないのかなって僕は思うから、僕らが楽しみながら発信できたら面白いのかなと思います。

QまさにADVENTURE KINGで皆さんが連載して頂く上で、そういうことを発信してもらいたくて。ネットで調べて行った気分になったりとか、経験もせずにあの国は汚いとか、行かないのってすごく人生の損をしてると思っていて。
皆さんがほんとに楽しみながら「冒険って楽しいよ」って発信してもらって、一人でも多くの読者がそれを実際に経験したいとおもってもらえたらなと。
かっこよくて男が憧れる男、冒険したい人が憧れる冒険者になって欲しいなって思います。

AGaku:そうなれたら最高ですね。その通りだと思います。体験しないのはもったいないなって。
さっき日本人はすごく好かれるって言いましたが、これは本当で、どこの国に行っても「日本から来た」って言うと、ガードというか人と人との壁が一つ下がるんですよ。
それは良い意味での日本の国柄やイメージが向こうの人にはあるという証拠で。でも、日本人は逆に外の国の人のことを怖いと思うじゃないですか。でも、そんなことないよっていう。そういうところも伝えられたらなと思います。

Qこっちが心を開いたらますます楽しくなりますよね。
最後にお二人にとっての「冒険」とはなんでしょう。

AGaku:知らないことはたくさんあるけれど、興味をもったらとりあえず飛び込んでみて、そこから考えるのでもいいと思います。能力は後でつけられるものだと思っているし、現に今までそうやって生きてきて、たくさんのチャンスを頂いてきているから。
壁を作らないでまずは飛び込む。不安な気持ちも多少なりありますが、飛び込んだ先にはきっとなにかあるんです。前情報だけではあまり決めないようにすることを心がけています。そういう点では自分は冒険家だと思います。

Kenji:仕事を含めると旅を始めて10年くらいなんですけど、毎回思うのは、自分の知らないことを知ったり、違う環境に行ったり、人と出会う、見る、感じる…その度に、毎回人生の濃度が濃くなっていく感じがするんです。
自分の人生の中の枠がどんどん広がっていって「人生はこんなに楽しいんだ」という気持ちが増殖していっている感覚なんですよね。
外にでれば誰かに出会い、繋がる、そしてその人が僕を誰かと繋げてくれるという“広がる”スパイラルが自然に生まれていて。大きい木が世界中に広がっていく感覚というか。
だから僕は冒険をしながらそれをさらに広げていきたいんです。自分のツリーを無限に育てていきたいというか…それが僕が冒険をしている一番の最大の理由かもしれないですね。
ワクワクするんですよ。この広がりがいつかは「地球が庭」という状態になるんじゃないかなと。だから旅と冒険はやめられないんです。

「馬ッ鹿パッカーズ」馬鹿に旅する大人たち!!スペシャルインタビュー

——「馬ッ鹿パッカーズ」All Members’ Profiles——

Kenji
職業:エンターテイナー
出身:大阪
現在地:東京
年齢:34
人種:日本×韓国×コロンビア大阪出身。

ダンサーを経て、モデルのキャリアをスタート。東京をベースキャンプに、果ては南アフリカまで”世界は庭”をテーマにborderless に戦うファッションモデル。テキーラと音楽があれば、何処でも自分の庭に変えてしまう屈強なソウルの持ち主。
#トルソー呉山

Gaku
拠点:東京、ソウル
仕事:経営者
年齢:29
人種:日本&台湾

4ヶ国語を適当に操り、強烈なハッピースマイルで誰をも魅了する。

Tai
拠点:Okinawa
仕事:パーソナルジムオーナー
年齢:29
人種:Canadian Japanese mix

幼いころは新潟で育ち、中学、高校はカナダで過ごす。19歳で東京に、そこでパーソナルトレーナーの仕事に惚れ、雪国育ちとのこともあり海と太陽が魅力的な憧れの沖縄で今はパーソナルジムを経営している。旅好き、海好き、太陽好き
#sunshineboy

Takuya
拠点:現在香港
仕事:モデル
年齢:29
人種:日本

アジアとヨーロッパを飛び回り活動するファッションモデル。あくまで自重のみにこだわるトレーニング、”ストリートワークアウト”を極めつつ、ヨガや格闘技を嗜む生物兵器

Sela
拠点:フィンランド
仕事:??
年齢:32
人種:Eurasian 日本人(半分イギリス)

育ちは京都、 日本での高校卒業後 国外を放浪、2014年にフィンランドに惚れ込み 現在北欧ライフを家族と一緒に満喫している。旅好き、コーヒー好き。コーヒーは夏でもつねにhotしか飲まない。
#BlackCoffeeOnly

Setsu
拠点:Osaka
仕事:会社員
年齢:35
人種:Eurasian- 日本人(半分イギリス)

育ちは京都、Sela の兄、陸上自衛隊、寿司chef, model 活動を経て、現在大阪に在住、ヨガを勉強中。そしてヨガを広める活動をしている。休暇を利用しては旅に出るフローター
#mondaytosunday

Kaiki
拠点:横浜
仕事:アパレル
年齢:29
人種:人間と魚のハーフ

横浜で産まれ、西海岸に憧れ18歳で渡米。帰国後、ファッションブランドにて多様なライフスタイルを提供中。サーフィン好き。休日はスローなビーチライフを送る。

Yukihide
拠点:東京、香川
仕事:八百屋、ファッションモデル
年齢:27
人種:日本人

香川県観音寺市生まれうどん育ち。高卒後上京し、ファッションモデルとして国内外のコレクションをウロウロする。2018年より家業の八百屋業も並行して勉強中。

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