幸せの国として知られるブータン王国。
ドラゴンの旗がたなびくこの国へ降りたつと、土地のもつ神秘的なパワーが旅人を歓迎してくれる。
旅を通して気がついたのは、「我々が求めている本当の幸せ」…
それは決して物理的なものではなく、きっと誰もが幼少期に感じた素朴で純粋な感情であるということ。
ヒマラヤ山脈に囲まれた知られざる秘境へ、いざ。
Photo & Text: Makiko Yamamoto
Cooperation:COMO HOTELS & RESORTS
プナカ・ゾン
ゾンとは城塞のこと。プナカ・ゾンは国内で2番目に古く、現在でも役所兼寺院として使われている。1955年にブータンの首都がティンプーに移されるまでは、ここがブータンの首都だった。
BEAUTIFL MOMENTS in Punakha
高山に位置するブータンにおいて、ここプナカは比較的標高が低く、約1300mほど。バナナが生い茂り、蘭の花が咲き乱れる亜熱帯性の気候ゆえ、稲作も盛んだ。収穫期には黄金色に輝くゆるやかな棚田は寺院が立ち並ぶ荘厳な景色をさらに美しく彩って。
男性を表すポ・チュ(ポ川)と女性を表すモ・チュ(モ川)の合流点にそびえ立つゾン・プナカ。
棚田を望む絶景。頂に聳えるのは僧侶学校。
プナカ・ゾンの内部。この日はブッダの命日で仏教における最も神聖な日の一つ。人々は正装して参拝に訪れる。
僧侶学校付近の水路で水遊びに興じる子どもたち。
プナカ・ゾンの寺院脇にて。
僧侶を目指す10代の男の子たち。お経を唱える姿は凛々しく、でも自由時間にはサッカーが大好きでちょっぴりシャイなティーンエイジャー。
HOLINESS IN MY MIND
ブータンで感じる神聖な空気。来世のために人生を通して祈りを捧げる聖者がいるからだろうか。それともこと土地が清らかに磨きあげられているからだろうか。ブータンを旅する意義、それは人が本来もっている”澄み切った心”が自ずと蘇ってくるこおとなのかもしれない。
断崖絶壁に建てられた孤高の寺院。ドラゴンズネストと呼ばれ、たどり着くまでは3時間ほどの登山を要する。世界中の仏教徒が参拝に訪れる非常に神聖な場所だ。
尼僧院にて。標高3000mにある尼僧院では10代の女子たちが学びと祈りに勤しんでいた。
LOCAL CUISINE
世界一辛いと評されるブータン料理。唐辛子とチーズ、干し肉をメインに構成される料理は、ひとたび口にすればその強烈な旨みに虜になること間違いなし。
僧侶学校の昼食。ベジタリアン食だが味付けにバターを使用しているので満足度は非常に高い。
ブータンの家庭にお邪魔してランチ。やはり家庭料理が一番美味だった。
写真左下から時計回りに、唐辛子のチーズ煮込み”エマダチ”、干し牛肉の炒め煮、干し豚肉の煮込み、野菜のバター炒め煮、干しほうれん草の炒め煮。
ブータンでは紅茶にバターと塩を入れて撹拌するバター茶を愛飲している。
豚の脂部分を陰干しし、料理に使用する。
僧侶学校にて料理の準備中。
米を乾煎りしてクリスピー状する。バター茶に入れて食感のアクセントに。