Q新曲の「言えない言えない」のコンセプトを教えてください。
ATOC(以下T)アニメのタイアップの話を頂いて、原作を読んだら学園もので凄く面白くて。それで今回の作品はそのストーリーをそのまんま歌詞にしたという感じですね。だから、アニメの話を頂かなかったらこの曲を創ること自体無かったので、機会を頂いた事に感謝しています。
Qお二人はどういう学生時代を過ごされていたんですか。
AT:僕は小中高とずっと剣道をやっていました。ひたすら部活!!て感じですね。高校から親元離れて寮に住みながら剣道をやっていたので、かなりその道を極めようとしていましたね。
Qカツさんは?
ADJ KATSU(以下K)僕は中学まではわりと普通のサッカー少年みたいな感じだったんですけど、高校1年でサッカーをやめて、そこからスノーボードをやり始めました。高校の3年間は、夏にスケボーやったり、冬にはスノボーやったりして、まぁ結構活発なアウトドア派でした。僕は恋愛系とか学生生活で一切なかったです。
Qお二人はなぜ音楽の道へ?
AT:僕は大学1年生の時の文化祭がきっかけです。先輩たちが体育館を真っ暗にして、照明をいくつか付けてクラブスタイルでイベントやってて、初めてそこでヒップホップとかクラブのシーンを見たんです。ラップしてる先輩を見てめっちゃかっこいいなと思ったのがスタートでしたね。そこから僕もやりたいと思ってクラブイベントを打つようになって、そこでKATSUと知り合ったんです。
QKATSUさんはどうして?
AK:TOCの大学の体育館でやっていたその先輩っていうのが俺の友達だったんです。彼がずっとアナログのレコードを買っているのは知ってたし、僕もその時はハウスとかテクノとかそういう盤を集めていたので、お互い良い盤がたまってきたからイベントやろうよみたいな感じで、最初は小さなBARを借りてやっていたんです。そしたら、それきっかけでクラブでもやるようになって、そこでTOCと知り合いました。
Qみんなが就職を選択する中で音楽の道を選ぶということは、結構な決意が必要ですよね。
AT:僕は大学を卒業して1回就職したんですが、やっぱり音楽でやっていきたいからという理由で3ヶ月で辞めたんです。そのタイミングは、自分の中で人生で一番の冒険だったかな。ただ、パートナーがいなければやってなかったと思います。バイトをしながら地元新潟のクラブで活動していました。
Q固定のファンは少しずつ出てきている感じでしたか。
AK:いや、いないですね。3年くらいずっとレギュラーでやっていたから、少なからずそこのイベントに付いていたお客さんとかはいて。まぁ、当時はボクらがやるって言ったら見に来てくれる人はある程度はいたけど、ファンという程でもないですかね。
Qお二人は道なき道を切り開いていってますよね。どうやって一歩一歩前に進んできたんですか。
AT:最近凄く考えるんですけど、「よくやったな」という感じです。新潟では他に前例がなかったんです。レーベルなんてもちろん無いし、芸能事務所も無いし、どこからチャンスを掴めるのか分からなくて。オーディションとかを東京で受けようとした時に思ったんです。「こういうんじゃないな」って。「地元でやっていたらそのうち向こうからくるんじゃないか」と逆にそう考えるようになってからは結構気が楽になったかな。
Qそこからどれくらいで、向こうからきたんですか。
AT:5年くらいですね。
Q5年は長いですよね。普通は5年も続けられないです。
AT:音楽を生業にすることをもちろん目指していたんですけど、それより2人で住んで一緒に働いたりして、夢を追うというよりもとにかく楽しんでました。
K:まずこの2人で経験を積もうと思って、色々なイベントに誘われたら出たり、こっちから話を持って行ったりすることがメインでしたかね。僕はDJをやっていただけだから楽曲を作るということをあんまりやってなかったので、まず楽曲を作らないといけないという事で、その環境作りをちょっとずつ始めていきました。うちの兄がバンドマンだったから色々機材のこととか聞いたりして、それから曲を作れるようになるまで結構時間がかかりましたね。
Qなかなか続けるのは難しいと思います。特に20代に入ってからの5年て、やっぱり10代の5年とは違うプレッシャーというか、かかってくると思うんですよね。
AT:特に新潟というのがハードル高かったと思います。新潟のクラブのイベントって東京からのゲストが多くて、その前座で出るんですけど、前座なんてほとんど誰も見ないんですよ、やっぱり。そんな中でやり続けるという冒険が出来たこと、それは今もなお一番根底にある自信ですね。やり続けていたら、だんだん見てもらえるようになったし、レコード会社から電話がくるようになったんです。
Qすごいですね、続ければ叶う。
AT:単純にそういう方向でやっていた人があんまりいなかったというか。クラブという場所で人を集めて曲を売り込んだりね。ボクらは自分でデモを作って配ったりとか、インディーズで自分ら出資して盤を出したりとか、そういう動きをしたから東京のレコ―ド会社の人たちの目に留まったわけで。ただ待っているだけだったらたぶん話は来ていなかったかもしれないですね。
Qそうかもしれないですね。でも、だからこそ今新潟をベースにされている愛があるんですね。
AT:そうですね、そこが大事にしているとこですね。ただ、今は仕事の9.5割は新潟以外のところですね。新潟である仕事なんて、年に1~2回。それが結構は寂しいんですよね。せっかく新潟にいるのに、呼ばれるのは県外ばっかりというのは。
K:確かにね。
T:今後はもっとユナイトして行政とか、民間の人とかと一緒に何かやって行きたいですね。
Q育ててくれたからこそ何か返したいですよね。
AT:そうですね、何か面白いことをやりたいです。今後はストリートにいる人達と面白い事をやっていきたいです。
Q後輩もどんどん出てくれたらいいですね。
AT:そう思います。だから後輩を育てることを念頭において活動していますね。新潟に自分のスタジオ作っているんですけど、今そこを開放して地元のみんなが集まったりするような場所にしているんです。
Qお二人のこれからやってみたい冒険は?
AT:新潟に関しては、そういう色んな人と絡んで面白いことをやっていきたいです。アーティストとしては逆に新潟にいないで外に、と言っても日本だけじゃなくて世界の色んなところ行って色々吸収して、アーティストとしてもっと濃くなっていきたいですね。
QKATSUさんは?
AK:DJが原点でそこから始まって、Hilcrhymeはクラブから出てきました。最近はホールとかでLIVEをやらせて頂いたり、色んなフェスだったり色んなイベントに呼んで頂いたりしているんですが、逆に原点であるクラブDJから結構離れているんです。クラブDJとライブDJは結構違う。僕にとってはクラブが原点だし、クラブシーンにおいては最初始めた頃の時と今の音楽が変わってきているので、そこへの興味が最近強くなってきてるんです。それでHilcrhymeの曲でもクラブ要素を入れたようなリミックスを作ったりしてるんですが、それが予想以上にライブでのウケも良かったりしていて。今後はその方向をもうちょっと冒険してみようかなと思います。
Q先ほど原点とおっしゃってたんですけど、今回のアルバムのタイトル「REVIVAL」というのも、原点回帰というかそういう再生や蘇生といういいが込められているんですか。
AT:僕らに対してというより、わりと音楽シーン全体に訴えかけているものですね。昔はもう少し音楽に熱狂していたんじゃないかなって思うから。今のシーンは否定はしないけど、ちょっと違うかなという気もしているので。それで「REVIVAL」というタイトルを付けましたね。
Q最後に冒険野郎になりたい読者たちへメッセージをお願いします。
AT:30後半までは夢を追いかけて大丈夫!30後半まではバイトしながらでいいと思います。それでダメだったら、僕の場合はたぶん死んだような人生になると思うんです。やりたくない事をやり続ける人生って、たぶん生きててあんまり面白くないかもしれないし、死んでるのと変わらないと思うから。死ぬ気で生きてみればいいんじゃないかなと思いますね
QKATSUさんメッセージいただいてもいいですか。
AK:高校の時にスノーボードにハマってて、「一生スノーボードしてればいいな」って思ってたんです。だから高校卒業したら、ワーキングホリデーのビザ取ってスノーボードのメッカに行こうって夢をもってお金を貯めようとか思ってたんです。でも、高校を卒業して仕事を始めて社会に出たら、ひたすらボードのことだけ考えていた高校時代とは意識が全然変わってきて。色んなしがらみとかの中でその夢がどんどん負けちゃって、結局スノーボードに対する熱意もなくなっていったんですよね。完全に夢が1個やぶれたみたいな。
でもそこからこうやってHilcrhymeとして新しい目標を見つけたし、まだまだやりたいこともいっぱいあるし。
読者のみなさんも誰もが一度は大きな挫折を味わうっていう事を経験すると思うんですけど、後になって考えると実は大したことないって思うと思うんですよね。だから、1個の夢がダメだったら次の目標を探せばいい。探すことをやめたら絶対にそれは叶うことはないじゃないですか。30過ぎてから新しいこと見つけて成功する人だっているし、40過ぎてから見つける人だっている。若いうちって何か失敗してもやり直せると思うから、難しいことは考えず、自分の目標に向かって突き進むのがいいんじゃないかなと思います。
Profile ラップユニット”Hilcrhyme”
TOC (トク) DJ KATSU (カツ)
出身:新潟県 出身:新潟県
1981年10月4日生まれ 1979年11月17日生まれ
2015年9月2日発売18th SINGLE「言えない 言えない」
- 初回限定盤 (CD+DVD) UPCH-7044 ¥1,700+税
- 通常盤(CD)UPCH-5851 ¥1,100+税
【CD収録曲】
- 言えない 言えない (TVアニメ「実は私は」エンディングテーマ)
- (未定)
【初回限定盤 DVD収録内容】
・「言えない 言えない」Music Video
・「言えない 言えない」Making of Music Video
NOW ON SALE
LIVE DVD「Hilcrhyme Tour 2015 REVIVAL at NHK HALL」
- 通常盤UPBH-1388 ¥3600+税
(ジャケットイメージはいる)