Special Travel

Yuya Yagira in the Philippines

− Islands hopping in Siargao −

柳楽 優弥 フィリピンVol.1
シャルガオ島 アイランドホッピング

Starring: Yuya Yagira
Text: Makiko Yamamoto
Photo: Taro Washio
Movie: Hiro Mitsuzuka
Music: Kotsubo Sunset/ Toshizo Shiraishi
just a simple dialogue #1/ Yukihiko Yotsukura
Hair& Make-up : Motoko Suga
Styling: Lambda Takahashi
Cooperation: TPB/ Cebu Pacific

我々が旅に求めるもの……人それぞれに異なるが、「旅」という非日常の体験は、僕らに新たな発見や感動をもたらし、そして土地が持つエネルギーは僕らの心をニュートラルな状態へと導いてくれる。

都会の喧騒を離れ、自分と向き合う時間。
頭を空っぽにして、ただ目の前の景色に心を奪われる……常に何かに追われている日々とは正反対の贅沢なひととき。
旅を終える頃にはきっと新しい自分に出会えるはず。

そんな期待を込め、俳優・柳楽優弥が今回訪れたのはフィリピンのシャルガオ島。彼がこの素朴な島で見せたのは、童心に返ったかのような表情だった。

Yuya Yagira in Siargao, the Philippines
柳楽優弥 フィリピンアドベンチャー <シャルガオ島アイランドライフ>

2018年、コンデナスト社が選ぶ世界ベストビーチ、アジア編でランクインしたシャルガオ島。マニラの南西800キロというこの場所は、サーフィンの世界大会が開催される世界中のサーファーたちの聖地だ。

海を誇るシャルガオ島でやるべきは、ボートで周辺の島々をめぐるアイランドホッピング。

早起きをして船着場へ。

シャツ ¥25000 / AS STANDARD(ADONUST MUSEUM)
サンダル ¥14800 / ISLAND SLIPPER(GMT)

海の男たちが出迎えてくれた。

出航までの時間、フレンドリーな彼らとしばしの歓談。
ようやく僕らの船が到着したようだ。

波音をも消し去るように轟々と鳴くエンジン音、滑走状態のボートは細波の上を跳ねるように進んでいく。
未だ見ぬ目的地に想像を巡らせる……冒険心が湧いてくる。

Naked Island
—“何もない”が、この上なき贅沢—

最初に到着したのは、白砂煌めくネイキッドアイランド。
砂の島ゆえに、船着場がない。
よって途中から自らの足で上陸することになる。
ほのかに冷たい海水に足を浸す……「あぁ本当に島に来ているんだ」と実感する。

ここ、ネイキッドアイランドは、真っ白な砂でできた全長150Mほどの無人島。
建物はおろか木も生えていない、まさに裸(Naked)の島だ。

サンダルを脱ぎ捨て、砂浜を裸足で踏みしめる。
さらさらと細かい白砂と驚くほど透明度の高い海。
これほどまでに無垢で美しい島が地球上にあったなんて!!!

探して、触れて…ときに戯(おど)けて。
宝石のようにキラキラと輝く波と戯れ、純白の砂の感触を肌で味わう…時が進むごとに、心が穏やかに、伸びやかになっていくのが分かる。

Guyam Island
—緑に癒される、砂と遊ぶ—

ボートに乗って次なる島、グヤム島へ。
白い砂浜と生い茂るヤシの木のコントラストが見事で、まさに“絵に描いたような”無人島といえよう。
グヤムとは現地語で「蟻」を意味するとのことで、つまりはそれほど小さい島なのである。

トロピカルな木々が生い茂るグヤム島の奥へ。
地図も看板もない島歩きでは自分の勘だけが頼りだ。

ちょうど島の中央にあたる場所に、ぽっかりと広場が出現した。
誰もいない場所に吊るされた空っぽのハンモック。
しばし、空を見上げる。

高々とそびえるヤシの葉を縫うようにして優しい光が差し込む。
広い宇宙の中の小さな惑星、地球。その無人島にいる……果てのない宇宙と自分の対比。
なにを思うわけでもなく、答えも求めていないが、ふとそんなことに考えを巡らせてしまう。

そろそろ次の島へ向かおう。
ボートが待つビーチへ向かう途中、砂浜が自分を呼んでいるのが聞こえた気がした。
だから、
心の赴くままに無垢な大地へダイブした。

ときに地球にハグをして、感謝の気持ちを伝える。
馬鹿げている!? いや、実はとっても大事なこと。

Daku Island
—自分を解放できる場所—

ダク島には人が住んでいる。学校も教会もある。人間も犬もニワトリも、みんな仲良く暮らしている。

そう、土地の言葉では「ダク=大きい」。大きなこの島は来訪者にも寛容だ。
島をふらり散策すれば、そんな人懐こい皆が笑顔で迎えてくれた。

島の教会へ赴き、神様に挨拶をする。

アイランドホッピングで高揚した心が少し落ち着きを取り戻す。
神との対話はすなわち自分との対話だ。

しばしの休息のあとは、島の名物、バーベキューをいただこう。
フィリピンではこのようにテーブルいっぱいに食べ物をならべ、豪快に手づかみでいただくのが本来の食べ方。
同じ食卓を囲んだ者同士の信頼の証なのだそうだ。

採れたての魚介類に、島自慢のフライドチキン。
シンプルな調味が素材の良さをさらに引き立てる。
食べれば食べるほど元気になる。
地のものを食することで、僕らはその土地のエネルギーをおすそ分けしてもらっている、そんな気がするんだ。

 

 

広い空のもと、波の音に耳を澄ませ、何を考えるでもなく遠くを見つめる。
潮風を胸いっぱいに吸い込む。
日常で忘れていたこと。
旅先でしかできないこと。

思考はシンプルに、そして心はどんどん軽くなる。
「いつも難しく考えすぎていたのだろうか」なんて振り返る余裕も出てくる。

ぷかぷかと浮かびながら水中の音に耳を澄ませる。
海は我々をニュートラルな状態に導いてくれる。
ときに童心に戻って…やんちゃな心でビーチを駆け回ることも必要だと教えられたみたいだ。

明日はどんな1日が待っているんだろう……不安や心配よりも先に立つ、好奇心やワクワクする気持ち。

本能に正直に!!

僕らが本来持っているはずの、大人になるにつれて忘れがちなこんな感情が、なんだか蘇ってきた気がする。

To be continued……

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