ADVENTURE JAPAN

Vol.22 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳

ワインづくしの優雅な滞在

日本有数のワイン銘醸地・山梨。
八ヶ岳の冷涼な気候と斜面が生み出す高品質なワインは世界的にも高い評価を得ている。
今回はリゾナーレ八ヶ岳で体験する「ワインづくしの滞在」を紹介しよう。

Photo, text: Makiko Yamamoto

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日本百名山の一つ、八ヶ岳・小淵沢にあるリゾートホテル「星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳」。
ここでは年間を通して自然と触れ合う様々なアクティビティを体験できる。
地元の観光名所でもある「ピーマン通り」にはレストランや雑貨店などの店舗が軒を連ね、常に賑わいが絶えない。
山梨の自然を感じるシーズナルイベントも開催されるので、いつ来ても新鮮な楽しみに出会うことができるだろう。

八ヶ岳ワインハウス

日本初のワインリゾート、リゾナーレ八ヶ岳にある「八ヶ岳ワインハウス」では、勝沼〜長野を結ぶワイン街道の個性豊かなワイン24種をテイスティングすることができる。
少しずつたくさん試して好みのワインを見つけるのもよし。
また、同じ品種のぶどうでも作り手やヴィンテージによって異なる繊細な違いを飲み分けるのも楽しい。

「OTTO SETTE」

標高960mに位置するリゾナーレ八ヶ岳のメインダイニング「OTTO SETTE」は、素材の味を生かした、見た目にも、舌にも美味しいイタリアンレストランだ。
「OTTO」はイタリア語で数字の「8」、「SETTE」は数字の「7」を表わし、それぞれ八ヶ岳と食材を提供する7人の達人を意味しているのだという。
土地のものを一番美味しい方法で……というコンセプトは、コース料理を食していると自然と伝わってくるから不思議だ。
ワイン好きなら山梨・長野のワインを中心に2000本ものワインセレクションから腕利きのソムリエが料理に合わせてセレクトする「Vino e Verdura(ヴィノ・エ・ヴェルドゥーラ)」やドリンクメニューの「ペアリングワインコース」を選ぶといいだろう。
特に「Vino e Verdura(ヴィノ・エ・ヴェルドゥーラ)」は旬の野菜で構成された料理と同じ風土で育まれたワインを一皿毎にペアリングして愉しむコースで、土地を丸ごと味わうことができる。

ペアリングの最も興味深い点といえば、料理とワインがまず鼻で、次に口の中で絶妙なハーモニーを奏でることである。ワインだけでも、料理だけでも成立しない、両者の化学反応によって初めて完成する味なのだ。
驚いたのは、味わいの異なる4種の前菜に合わせて3種のワインがペアリングで提供されたこと。もちろん筆者が無類のワイン好きと事前に伝えておいたからではあるだろうが、1コースに複数のワインを合わせるのは初めてだったので、その発想と遊び心に胸がときめいた。
いうまでもないがマリアージュはもちろん抜群で、味わいの組み合わせの奥深さとソムリエのセンスに脱帽せざるを得なかった。

やわらかい香りでシルキーなものから芳醇な香りで濃厚なものまで、日本のワインの表情の豊かなこと!
こうして集中して山梨・長野のワインを味わえる機会はそうとないだろう。
また、山梨のプレミアワインの一つ、「ドメーヌ ミエ・イケノ」のワイン全ラインナップが揃っているのも特筆すべき点であろう(一部は、施設内の「八ヶ岳ワインハウス」にて購入可)。

化学肥料、除草剤、殺虫剤を使用せず粒単位で丁寧に栽培し、収穫後は重力のみでワインを醸造するのが特長の「ドメーヌ ミエ・イケノ」。
自重によって贅沢に絞られたワインには雑味が一切ない。
ピノ・ノワールならではのシルキーでエレガントな口当たりと洗練された味わい……自然とこちらも丁寧に、敬意をもってワインに向き合いたくなってくるから不思議だ。

デザートには心踊るサプライズが待っていた。
「リゾナーレ八ヶ岳へようこそ」のメッセージプレートに「また来よう」と思うのは私だけではないだろう。
食事、ワイン、サービス、その全てに心から満足させてくれる「OTTO SETTE」は間違いなく唯一無二のレストランといえよう。

ワインスイートメゾネット

リゾナーレ八ヶ岳に来たらぜひ泊まっていただきたいのが、「ワインスイートメゾネット」。
ワインリゾートを象徴するボルドーカラーを基調にデザインしたメゾネットタイプのスイートルームで、ワイン好きにはたまらない様々な用意が整えられた特別室だ。

メゾネットという名の通り、螺旋階段を昇るとそこにはローソファーが設えられた寛ぎのリビングが出迎える。
ワイン蔵をイメージした格子状の棚にはワインに関する書籍が並び、また、ミニサイズのワインセラーにはセレクトされた地元のワイン(別途購入)が準備されている。ハーフサイズの用意もあるので、テイスティング気分で気軽に開栓できるのも嬉しい。

筆者が個人的に感動したのは、ワイングラスが多種用意されていた点だ。
ホテルでの部屋飲みでいつも悩ましいのが「グラス」。
せっかく美味しいワインを買っても、適したグラスでいただかないと風味も味も半減してしまう。
大抵のホテルに用意されているワイングラスは1~2種類で、いつもそこに困難を感じていたのだ。
こちらにはシャンパングラス、白、赤と3種類、さらにデキャンタグラスまで揃っているので、とっておきのワインを期待通りの美味しさで味わうことができるという訳だ。
ワインスイートメゾネットで、グラスを片手に気のおけない相手と特別な夜を過ごしたいものだ。

ステンドグラスづくり体験

ワインステイを締めくくるのは、ワインボトルを再利用したお土産制作だ。
八ヶ岳アクティビティセンターでは、ステンドグラスづくりを体験できる。
昨夜堪能した「ドメーヌ ミエ・イケノ」のワインボトルを加工して、オリジナルのステンドグラスを作ることにした。

ガラスを選んだり、ハンダでつなぎ合わせたり……
無心になって工作すること1時間。
世界に一つだけのランプが完成した。

ワインは、ただ飲むだけではなく、食事とのペアリングを楽しんだり、空間そのものでワインを感じたり、さらにはアートとして持ち帰ることもできる。
そんな多角的な「ワインの楽しみ方」を提案しているのがリゾナーレ八ヶ岳なのだ。

星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳
〒408-0044 山梨県北杜市小淵沢町129-1
宿泊予約:0570-073-055(リゾナーレ予約センター)
https://risonare.com/yatsugatake/

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