情熱と喧騒の東南アジア、ベトナムに“最後の楽園”と言われる土地がある。

コンダオ島とフーコック島…長年の眠りから覚めたこの島々は、至るところに古の面影と無垢な自然が残されていた。

想像もつかなかった景色を感じる旅へ、いざ。

Text: Makiko Yamamoto  Photo: Makiko Yamamoto, Sebastian Angel  Cooperation: ベトナム航空

 

素晴らしい景色はずっとみていても、むしろ見れば見るほど吸い込まれていく。人の心をこんなにもつかむ絶景がこの世にあることが嬉しく、出会えた奇跡に感謝したい。撮影場所:シックス・センシズ・コンダオ

THINK NOTHIG,FEEL EVERYTHING

海と自然と感じる心、必要なのはそれだけ

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ホーチミンから南へ約230kmに位置する大小16の島からなるコンダオ諸島。コンダオ諸島はコンダオ国立公園として自然保護区となり、エメラルドグリーンの海と美しい自然に囲まれ「ベトナム最後の楽園」とも言われ、ジュゴンやイルカ、ウミガメなどの生息地としても知られています。諸島はかつてのクメール王朝の支配地域でありコ・トララッチ(Koh Tralach)という名で知られ17世紀までにキン族が定住した。1702年、イギリス東インド会社がコンソン島に入植地をつくり、インド中国航路の集散拠点としたが、3年後、イギリスの駐在員たちはベトナム人らに殺され、工場は破壊され、また残った者たちも島から追い出された。その後、諸島はフランスの支配下に置かれる。フランス領インドシナの時代、コンダオ諸島は「虎の檻」のニックネームで知られる劣悪な監房を持つコンダオ刑務所として悪名を馳せた。ベトナムの民族主義者たちはこの刑務所に送られ刑期を過ごし、後にはベトナム人共産主義指導者たちもまた、ここで「再教育」されたのだ。 そんな歴史をしっかり受け止めながら高台から海を見下ろす(写真上:ヴァンソン寺)。青空と海の美しさの奥に秘められたこの島の力強さを感じた。

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もう一つの楽園、それは夕日の名勝地、フーコック島だ。白い砂浜と青く澄んだ美しいビーチは多くの旅人たちを魅了してきた。ここで見るべきは夕日の他にもう一つ、それは犬だ。島の名を取った「フーコック犬」と呼ばれる彼らは島原産の犬で、ベトナム全土で数千匹しかいない希少種だ。モヒカンのようなたてがみが特徴で性格はおだやかでおっとりしている。昼間は暑さをしのぐため日陰で寝ていることが多いが、屋外で食事をしているとすり寄ってきてエサをねだる姿がなんとも愛らしい。

SAFARI IN PHU QUOC

「ヴィンパールサファリ(Vinpearl Safari)」はフーコック島のもう一つの名物だ。ライオンやゼブラ、虎など本格サファリを楽しむ事ができる。暑さと湿度で多少だらだらしているものの、それも愛嬌というもの。間近で見られる迫力は何物にも代え難いのだから。

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FEEL LIKE A POET

旅人が詩人になるとき

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僕らはなぜ旅にでるのか。期待もしなかった景色や人、食べ物や体験に出会うこと、それは旅をした人だけが得られる一生の宝だ。 また、旅は自分を見つめ直す絶好のチャンスだ。一日歩き通し、ふと足を止めた場所で何を見るでもなく空を眺める。 過去の自分、そして将来の自分へととりとめもなく想いを馳せる。旅先だからなのか、いつもは堂々巡りの思考が、無限大に広がっていくのを感じる。時間の感覚も忘れ、流れに任せて思考を広げる。イメージとともに、数少なに単語が脳内を飛び回る。 きっとそれをつなぎ合わせたら一つの詩ができるだろう…そんなことを考えるが、その考えすらすぐに流れ去り、また心地よい脳内迷路をさまようのだ。 終いには、なぜか全てを許容できる広い心を見いだすことができる。それを国に帰ってからいかに長く維持できるか…出来なくなったらまた旅に出ればいいわけなのだが。

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