INTERVIEW

-JOHN YAMANOUCHI-

容姿端麗な冒険野郎

Qジャンさんが現在に至るまでをざっと教えてください。
Aデビュー自体は21歳。大学のときは普通に就活して、何個か内定を頂いたんですけど、ただどこかしっくりこない自分がいたんですよね。僕って体も大きいし、身長もあって、リクルートスーツのサイズなかったんですよ。だから就活のときも僕だけ海外のお洒落スーツみたいなので就活してて、「なんかちょっと浮いてるぞ」って。見た目もこんなだから、社会人だと思われてて。セミナーの時、友だちと待ち合わせて会社の前で待ってると、他の就活生からは会社の人だと思われて挨拶されたりとか(笑)。きっと会社に入っても居心地悪いのかなって、会社自体、僕が行くところじゃないんだろうなって思いまして、そこからモデルをやりたい思い始めたんです。そういうきっかけで急遽モデルを始めました。
Q最初はモデルだけだったんですか。
A最初はやっぱりいきなりモデルデビューしても上手くいかず、色んな事をしてましたね。派遣会社に入ってとにかく色んなことをしました。カードゲームのお兄さんとか(笑)
Qなんだろう。カードゲームのお兄さんて。
Aデュエルマスターズとか遊戯王とかの大会の運営のお兄さんみたいな。皆さん集まってください!みたいな。そのあと終わってから小学生達とカードゲームして教えたりとか。あと引越しとかもそうだし、色んな事をしましたね。あとはあるマダムのお手伝いさんとか。そうやって広く浅くいろんなことをした経験は今の仕事に活きていますね。
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Q人生の転機になったのは、やっぱりTVに出たことですか。
Aそうですね。TVパーソナリティやモデルの仕事って、いろんなものを演じなきゃいけない。例えばゴルフブランドだったらゴルフをやってる人のポーズをとらなきゃいけない、雑誌とかだとその言われたシチュエーションで演じて色々やるじゃないですか。それがきっかけで多分色々知りたくなってたりしてたかもしれないですね。それが変わるきっかけかもしれないですね。

Q一番向いてる仕事といえば向いてる仕事ですね。
Aそうですね。例えばある目的があるとして、普通だったらこれをまっすぐ行くんですけど、僕の場合は色んな寄り道をして遠回りはするんですけど、ここにたどり着く頃にはまっすぐ行ったときよりももっと色んな案が出せる状態になるんです。僕はそれがすごく大切だと思ってます。
Qそれってアドキンの表紙にでてくれている人全員に共通しているかも知れない。みんな興味があったらとりあえずやってみて、合わなかったらやめればいいじゃんって。
A絶対そっちの方が損しないし、これもカッコいい話になるかもしれないですけど、人生1回切りじゃないですか。僕はその中で人生を濃くしたいというか。普通だったらサラリーマンしかやらないところを、経営者もやるし、カードゲームのお兄さんもやるしみたいな。だから今も自分の会社立ち上げて、社長になりたいという気持ちもあって。
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Q全て一応トライして、自分に合っているかどうかを確かめるんですね。
Aはい、何でも興味があればトライはしてますね。あとは本を書くっていうのも自分の中で毎回色んなものが出てるんですけど、日本語のバリエーションがちょっと普通の人よりかは劣ってる部分があって、小学校の時にインターナショナルスクールにいたんで、基本の日本語をあまり覚えていなくて、だから自分の中で妄想する部分が沢山あって、ライターさんがいたらやりたいなって思うものもあるんですよ。そこはこれから挑戦する部分だと思うんですけど。でもそういうのも経験して自分はモデルの方が落ち着いて、プラスその他の事を沢山知っていこうとなりましたね。
Q最近の新しい挑戦は会社を立ち上げた事でしょうか。
Aそうですね、来年の一月にアパレルラインを立ち上げるので、いまとてもワクワクしています。会社を立ち上げて自分がやった事のない事に挑戦しつつ、会社が順調に落ち着いたら、その後は海外とか色んなところを冒険したいなというのもあって。友人で60数カ国冒険してる人がいて、彼の話を聞いていると日本のフィールドって、海外行くと狭く感じるらしくて。つまり海外にたくさんいけば視野が広がるってことなんでしょうね。僕もそういうのを見てみたいと思っています。会社立ち上げて安定したら積極的に海外にいきたいなと。
Qでもバスケもされるんですよね。しかも結構本格的に!
Aそうです。今も現にセミプロみたいなリーグに参加してて、「SOMECITY」っていうストリートバスケのリーグなんです。バスケは子どものころから10年以上続けています。人生で色んなことを経験していきたいですが、その一方でバスケだけは絶対やり続けようと思っているんです。何か一つ、ちゃんとやり続けられるものを持ちながら、他の事にもどんどんトライしていく。一つしっかりした軸を作るってことですね。そうすると自分の中でライフスタイルが安定すると思うんです。
Qすごいどっしりしてるというか、落ち着いた考えをされてますね。
Aそうですね。でも周りにはそれを感じさせたく無いから、普段はバカを演じてます。みんなが笑ってこいつバカだなって思ってくれるくらいがちょうど良くて。だから僕のことを知ってる人は、「ジャンてほんとにバカだよね」って言う人が多くて、でもそれはそれでいいと思ってます。
Q話を聞いているとジャンくんはすごく大人ですね。
A色々苦労されたんですか。  そうですね。子どものころから家族関係も色々とありまして、それでたくさん悩んだり考えることが多くて。それにモデルを始めたときも周囲に理解されなくて。モデルってやっぱり毎日ある仕事じゃないんで、母に「今日も家にいるのか」って言われたり、そういうのを聞いた後に撮影に行って良い表情作ろうとしてもなかなか作れなかったりして。それが窮屈で21歳のときに家出をして、お金も経験も全くない状態で借金をして一人暮らしをし始めたんです。多分そういうので色々辛い時期、楽しい時期を少しは知ったんで、それのお陰で自分が変わったのかなと思います。そして、僕の我が強すぎて家族にたくさん迷惑もかけたので、これからは恩返しをしていきたいと思っています。
Q色々乗り越えてこられたんですね。
Aそれが多分僕が変わったきっかけですかね。人として、性格というか。
Q特に人間関係とかじっくり考える経験って、そのときは辛くても、必ず次に活きてきますね。人にも優しくなれるし、人の気持ちもわかるし。
Aほんとにそうです。当時僕は自分の事をそんなに好きじゃなかったんです。モデル始める前もそうなんですけど、親としょっちゅう喧嘩してた頃ですね。多分それは自分に優しくできないからで、でも、自分の事好きじゃないとモデルって出来ないと思うんですよ。色んな表情作ったりとかね。自分の事を好きになって、やっと他人の事を好きになれる、余裕が出てくるというか。今、僕は自分の事がすごく好き。昨年の「ミスター・ワールド」っていう大会で優勝した時に、「自分は自分の事が好きで、だから他人にも優しくできてるんだと思います」という趣旨のコメントをしたんですけど、本当にそのことをみんなに伝えたくて。まず自分の事を好きになって自分に思いやりを持てたら、他人にもどうやって思いやればいいか知る事になる。ですから僕は自分を好きになる事を大切にしてますね。
Q自分がハッピーじゃないと、人をハッピーには出来ないですもんね。
Aはい。よく「みんな人に思いやりを」っていうようなフレーズがあるじゃないですか。僕は「その前に自分を好きになってから、他の人にも思いやりをもってみよう」って変えたほうが良いと思う。「自分を好きになろう」って声を大にして言いたいです。
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Profile:山ノ内ジャン / 1988年1月25日生まれ TOKYO MX「5時に夢中!」金曜日レギュラー他多数出演中。

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