L.Aで衝撃的な出会いを果たした4人の男たち。

彼らは日本の血を共通点としながら、ガーナ、中国、韓国の多様な血をもつ猛者だった。

海外生活したからこそ見える日本の姿やいかに。


—YALLA FAMILYの皆さんはLAで結成されたとか。

50caliber(以下50):そうです。4人ともLAに住んでいて、それぞれ音楽活動をしていたんですけど、クラブのイベントがあって、スタッフの友達がお互いを紹介してくれて意気投合したって感じですね。それでみんな一緒の家に住むようになったんです。

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—どのエリアですか。

50:イーストトーランスっていう場所で、俺らは家賃の安いメキシカンサイドに住んでた。治安が悪くて、夜なんて窓を開けたら必ず銃持って歩いてる奴がいるような。住んでた時期が悪かったんですよ。ちょうどハーバーシティーというギャングと俺らの地元のギャングが、抗争しまくっている時期だったんで。

—2000年代ですよね。

50:そうですね、2006、7年くらいですね。

—その頃もそんなに治安悪かったんですね。

50:各地で紛争が。まぁ地元は地元で地元愛みたいなのがあるんで、隣に住んでる奴とかは仲良くしてくれて。僕らは別に何もなかったんですけどね。

—ところで、YALLAってYELLOWのことなんですっけ?

50:そうです。俺がつくった言葉なんですけど、英語には日本人を表わすスラングってジャップとか、古いけどイエローモンキーとかしかなくて、それってなんかだっせぇなと思ってたんです。LAでは当時、日本人の友人が「イェラ(YELLA)」って言葉をつかってたんですけど、でもそれもだっせぇなと思って。で、「ヤラ(YALLA)」を考えました。イベントとかでずっとそれを叫んでた。

—ある意味、日本人としてのプライドをグループ名につけた感じですね。

50:そうです、LAでは結構男でも女でもですけど日本人とかレイプされたり、カツアゲや強盗に遭うんですよ。車ぶつけられて、なんだと思って車降りたらそのまま車ごと持って行かれるとか。そんなばっかりで、「ナメられたくねぇな」って気持ちからこの名前をつけました。YALLA FAMILYって全員合わせると日本以外に、中国、韓国、ガーナの4つの血が入ってて、共通しているのは、”みんなに日本の血が入ってる”ってこと。血は混ざってるけどみんな日本人だと思ってますね。ハクなんかはLAに住んでいたころ、部屋に日本の国旗と菊の御紋を貼ってたくらいです。

—海外に行くことで自分のアイデンティティーに気付くというのはありますよね。

50:間違いないですね。俺だけかもしれないですけど、俺は、日本と韓国と中国の3つの血が入っているから、例えば中国に行ったら日本人て言われるし、日本に来たら中国人とか言われて、居場所がないような感じがしてたんです。でも、LAに行った時にすごいワールドワイドで、いろんなミックスの中に飛び込んだ感じがしました。国という枠をこえて同じ地球に住んでるというのはすごく共感しましたね、旅に出て。

—日本と海外の音楽シーンの違いってありますか。

50:やっぱりエンターテインメントって音楽だけに限らず、アメリカはすごい進んでるじゃないですか。その辺はやっぱり日本は若干遅れてるかなとは思いますね。歴然とした違いは日本だとクラブでずっとソファに座ってたりとか、あとはただナンパしかしてない奴とかが結構いますけどアメリカにはまずいないですね。ナンパするにしても必ず音楽をキッカケにして「この曲ヤバイよね」とか言いながら近寄ってというのはあるんだけど。それに親子でクラブにきてたりとかもあるんですよ。ちゃんとみんな踊ってるんですよね。

—日本って盆踊りみたいに、みんな同じ踊りしません?

WEZ(以下W): みんな同じ踊りします。みんなDJの通りにして、DJが手あげろって言ったら手あげて。向こうは自由だから。

—日本だとクラブに行っている人って、ちょっと特殊な”遊び人”みたいなイメージをもたれますよね。大学卒業してからクラブ行っていたら「まだクラブ行ってんの」みたいに言われたりしますしね。

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DJ I.O(以下I):確かに。なんか世代交代みたいなのしてますもんね。

50:アメリカってそうじゃなくて、結構年齢層が親子でいけるくらい広い。

W:金持ちの羽振りの良さの桁が違うよね。

—YALLA FAMILYとして日本の音楽シーンにどういう関わりをしていきたいですか。

50:それは多分みんな思ってると思うんですけど、まぁもちろんいきなり俺らはこうだ!ってバンと出すのもちょっと攻撃的すぎるし、もうちょっと日本で流行ってる曲とか文化、またはこれから流行りそうなやつを少しずつ俺らの色で出せていければいいんじゃないかなとは思ってますね。

I:僕が思うのは僕らって音楽やhip-hop好きになって、人生が変わっちゃったんですよ。例えばhip-hopとか音楽してなかったら、このメンバーに会ってないし、LAにも行ってないだろうし、そういうきっかけを与えられるような人になれたらなという感じはあります。特に若い子に、人生変えちゃうくらいの衝撃を与えられたらというのはずっと俺言ってるんですけど。

H:僕は自己満かもしれないですけど、日本のクラブだと絶対アメリカの曲しかかからないんで、みんなが堂々と俺らの国のアーティストはこれで、俺らのクラブでかけるぜみたいな曲を作っていきたい。なぜかというとLAではみんな西側のアーティストをメインで回して、いろんなNYとかアトランタの人を混ぜたりとか。そんな抗争はないんでみんな仲良いんですけど、でも地元愛というかミソの部分では地元のアーティストをかける。アトランタいくとミソの部分ではアトランタのアーティストをかける。なので、日本はそういうのがあまないんで、だから一番盛り上がってる時にヤラとかかけてくれるようになったらいいなと。

—でもそれが当たり前のことなんですよね。

50:そうですね、あるべき姿。敵対心じゃなくて、もっとみんな地元というか日本は小さいので東京、大阪、名古屋とかバラバラにするんじゃなくて、日本というまとまりでやっていく。じゃないとやっぱり世界には勝てないですもんね。

—ウェズさんは?

クラブ行って俺らみたいなかっこいい奴もいるよというのを知ってもらいたい。今、日本もハーフとかも多くて、ハーフってフロントマンになる人が多いと思うんですよね。そういう人たちをみて、「かっこいい奴らいるな」って音楽に目覚めて欲しいなと思いますね。

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—これから皆さんがやってみたい冒険は?

W:俺は行ったことがないところでライブをしてみたいですね。上海とかソウルとか、日本も行ったことないところに行ってみたいですね。

50:俺は世界の絶景に行って色んなところ行って、リリックを書きたいんですよ。カリフォルニアでもやったし、中国でも書いたし、日本でもやったし、沖縄でもやったし、ハワイでも書いたし。これからも色んなところで書いていきたい。

—素敵な景色をみると湧いてくるものが違いますもんね。

50:全然違います。星の綺麗な夜に書く恋愛の歌とかヤバいですよ。やっぱり景色とか環境は影響するんで、ぜひいろいろ見たいですね。

—ハクさんは?

H:ウェズと一緒ですかね。行ったことのないところでライブをやって、世界中の人達と仲良くなりたいです。フィリピンとか、ヨーロッパもすごく行きたいです。

—I.Oさんはどうでしょう。

I:僕は逆に世界を知るために日本国内を知りたいな。日本でも場所によって違う音楽シーンがあるんです。特に北のほうとか行ったことないので北海道とかにも行ってみたいですね。

—アドキン読者に一言お願いします。

50:人生って一度きりだから、命をかけて向き合ってほしい。俺とかクソ貧乏でそれでもやっぱり1回しか生まれられないから、その中でやりたい事やらなかったら死ぬ時絶対後悔するなと思って。飢え死にしてでも夢を追っかけて行ったほうがいいなと思ってますね。みんなに言いたいのは、ビビってるんじゃなくて一歩踏み出して自分を信じて行くしかないんですよ。

H:俺らLAに知り合い一人もいなかったけど、行ったら行ったで友達も出来て、自分のやりたい事やってる人達にも出会えるし。そうするとなんか見えてくる。一歩目を結構大き踏んじゃえばいいんじゃないかな。

I.O:やっぱり仕事が大変だとか、例えば子供がいるだとか、たぶんみんな色々あるんですけど、とりあえずヤラパーティーに1回来て欲しいですね。本当にどんな人でも楽しめると思うんですよ。というのは、僕らのパーティーはみんな音楽が好きで友達好きというのが集まるんで、すぐに友達になれるし。気軽に話し掛けてもらっていいし。雑誌見ましたって言ってもらえると、話膨らむと思うんで。是非毎月第3土曜日に麻布十番のIVYでやってるんで来て下さい。

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W:ほんとにやりたい事があるけどなかなか出来ないじゃないですか。安定に走ったり、お金が追いつかなかったり、時間がなかったり。でもほんとにそれがやりたいんだったら、明日の事を考えないで今すぐやったほうがいいですね。

50:不思議なことがあって、思って描いたものがその仲間が集まるんですよ。行く前はそんな事が起きるなんて分からないんですよ。行ってみると実際におきるじゃないですか。ほんとに頑張らなかったら仲間とかもなくなってくるし、頑張り続けたら更に仲間が増え続けてくる、そういうもんなんです。

 

PROFILE YALLA FAMILY

黄色人種代表の珍獣一家

日本、韓国、中国、ガーナの混血児による3MC、1DJグループ。
同じ音楽性・似てる感性・異なる個性を持った4人がLAで衝撃的な出会いを果たし2007年にYALLA FAMILYを結成。結成後、共にホームレス生活をしながらハリウッドやダウンタウンを中心に音楽活動を始める。

2008年、LA有数の老舗コンサート会場EL REY TEATRE~ORIGINATION~でA.I.のLA凱旋ライブのオープニングアクトに抜擢されたのがYALLA FAMILYの転機となる。
全米トップアーティストのFINGAZZ等と競演し日本で発売されたFINGAZZコンピレーションアルバム『NEXUS』のメインアーティストとしてデビューを果たす。その後、個々の可能性を高める為ソロ活動に徹し3年後日本で再始動する約束をする。

2011年1月1日、約束通りYALLA FAMILY再始動。活動場所を日本に移しレーベルをUnity-ltd.に移籍。

2012年、PES from Rip Slymeの「女神のKISS」収録曲”この夜は終わらない”に参加し、赤坂BLITZで行われたPESソロLIVEにWISE, Tarantula from Spontaniaと共演。

2013年、ROCK IN JAPAN FES 2013では2日目にPARK STAGEにてPES feat. YALLA FAMILYとして参加。3日目、GRASS STAGEにてDragon Ash feat.YALLA FAMILYとして参加。その後、GG13 (Zepp Tokyo)、湘南音祭り(Yokohama BLITZ)、COUNTDOWN JAPAN13→14(幕張メッセ)等に参加。

2014年、YALLA FAMILY待望のファーストアルバム”BEGINNING”を1月15日に発売。ジャパニーズヒップホップチャート初登場1位を記録。新潟、富山、長野、東京、大阪で行われたリリースパーティーを大成功に収めた。客演にはKj from Dragon Ash、PES from Rip Slyme、LUNA from MaryJane等が登場し話題になる。
Dragon Ash全国ツアー”THE SHOW MUST GO ON”にもフィナーレの武道館まで参加。
11月には、早くも2枚目のフルアルバム”DREAMER”をリリースし全国各地をまわっている。

-LIVE SCHEDULE-
12/6 18:00〜銀座diana 「zero festival」
12/12 19:00〜麻布十番ivy 「the NEST produced by ELNIDO」
12/19 23:00〜麻布十番ivy 「YALLA PARTY」